バフェット太郎が新興国通貨へのFXについて解説しました。リスク許容度の範囲内で楽しむ分には、FXはギャンブルではありません。FXの基本から、為替相場の行方まで…まるっと要約!
FXとは?
FXとは、外国為替証拠金取引のことで、通貨と通貨の交換レートに投資する伝統的な投資商品だ。
外国為替とは、ある通貨を他の通貨に交換すること。
証拠金取引とは、FX会社に預け入れる証拠金を担保にした取引のこと。
つまり、FXは証拠金を担保に、通貨を交換する取引のことだ。
どうやってFXで儲けるの?
通貨の価格は常時変動していて、両替を通じて為替差損益が生じている。
一例を挙げると、1ドル100円のときに10万ドルを両替し1000ドルを手に入れたとする。
1ドル110円になってから両替すると11万円となり、1万円の為替差益が生まれる。
このように、両替による差額から利益を得るのがFXだ。
ただし、FXは通貨の交換を対象とした取引のことで、実際にドルや円を受け渡す「現物取引」ではない。
売買結果を口座に反映させるだけの「差金決済」となり、FX会社に預け入れた証拠金が、取引結果に応じて増減するのみなのだ。

この「差金決済」の仕組みにより、価格の上昇にかける「買い」だけでなく、価格の下落にかける「売り」をすることができる。
FXと米国株を比べた場合のメリット・デメリット
資金が少ない場合の制限
米国株は、1株から買うことができるが、銘柄によっては20〜30万円もするため、資金が少ない場合は購入できる銘柄に制限を受ける。
FXは、25倍まで取引できるレバレッジにより、5万円しか資金がなくても10倍のレバレッジをかけることで50万円の取引ができ、少ない資金でも制限されず不利にならない。
手数料
米国株は、売買手数料や為替手数料が必要となる。
FXは、取引手数料0円、スプレッドも100万円の取引でも数十円程度の場合が多い。

ボラティリティ(変動率)
米国株は、数ヶ月で株価が2〜3倍になることもある。
FXは、ドル円が2倍になることはまず考えられない。

そのため、FXはボラティリティが低い分、レバレッジを使って効率的に利益を狙う必要がある。
「FXで大損した!FXは危険だ!」と言う人は、自分の欲望に負けてレバレッジをかけすぎ、リスク許容度以上の損失を被っただけなのに、それをFXのせいにしているだけだ。
取引時間
米国株は、取引時間が決まっていて日本時間だと夜間になる。
FXは、平日なら24時間取引できるので、帰宅後や家事の合間など、自分の生活スタイルに合わせて取引できる。
米国株のリスクヘッジとしてのFX
米国株投資はドル建て商品を買うため、株価の動きだけでなく、為替変動もリスクとなる。
そこで、FXを「米国株投資のリスクヘッジ」として使うことができる。
つまり、円高のときにFXで「売り」から入れば、円高が進むにつれ保有する米国株の円建て資産評価額は値下がりするが、その値下がり分をFXの売りポジションで得る「為替差益」で相殺できるのだ。
このようなリスクヘッジができるのは、「買い」「売り」のどちらからでも取引できるFXのメリットである。
スワップポイント
FXでは「為替差益」のほかに、ポジションを保有することで発生する「スワップポイント」による収益が期待できる。
「スワップポイント」とは、2つの通貨間の金利差のことで、金利の低い国の通貨を売って、金利の高い国の通貨を買えば、金利差相当分の金額を受け取れる。

例をあげると、トルコリラ円、メキシコペソ円、南アフリカランド円の通貨ペアの買いポジションを、日をまたいで保有することでスワップポイントが得られる。
これからFXが投資家の間で注目される理由
今後、世界の投資マネーが高金利通貨に流入することが予想されている。
2021年秋以降、米国は集団免疫を達成し、コロナ収束に伴う景気回復が期待される。
だがFRBは、ゼロ金利政策解除を2023年頃と予想しているため、ゼロ金利政策が続く中で米国の景気が回復することにより、世界の投資マネーが米国から新興国市場に流入することが予想される。
なぜなら投資マネーは、金利の低いところから金利の高いところへ流れる傾向があり、ゼロ金利政策を続ける米国からマネーが流出し、高金利のメキシコ、トルコ、南アフリカの新興国通貨が強含むのだ。
スワップポイントを目的としたキャリートレード
金利の低い「円」で、金利の高い新興国通貨を買うことで、金利差をスワップポイントとして受け取り、コツコツと利益を積み上げる「キャリートレード」が可能となる。
例を挙げると、南アフリカランドの金利は3.5%、円の金利は0.1%で、金利差の3.4%をスワップポイントとして受け取ることができる。
FXの場合、外貨預金と同じレバレッジ1倍で、投下資金70万円だと想定年利5.71%となる。
レバレッジ5倍で、投下資金14万円となり、想定年利は28.55%。
レバレッジ10倍で、投下資金7万円となり、想定年利は57.09%となる。
レバレッジをしっかり管理計算することができれば、外国の高い金利を享受することができ、外貨投資の1つの選択肢となる。
今まで下火だったキャリートレード
これまでキャリートレードが下火だった理由は、2008年の金融危機以降、世界の投資マネーが米国に流れ込み、金利差によるスワップポイントを受け取っても、新興国通貨が値下がりすることで「為替差損」が生じ、利益が相殺されてしまっていたのだ。
これからは世界の投資マネーが新興国に流入することで新興国通貨が強含むため、スワップポイント狙いのキャリートレードも注目されることだろう。
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