高橋ダンがドル建てと円建てETFの違いを解説しました。今後、ドル安が見込まれる状況では、どちらを買えばいいのか?その理由まで…まるっと要約!
通貨によって変わるパフォーマンス
ドル円を売買したときは、下の図のようになる。

金融商品を買う場合、どの通貨で買うかによってパフォーマンスが変化する。
同じ商品を違う通貨で買った場合にどうなるか、例を挙げて説明したい。
ゴールドを買った場合
円建てのゴールドETFである1326は、今年17%上がっている。

それに対して、全く同じ商品であるドル建てのゴールドETF(GLD)は、今年22%上がっている。

約5%の差が出た理由は何か?
それは下の図のように、ドル円指数が約5%下がったためである。

同じ商品であるゴールドを買う場合、ドル建ての場合は金を買ってドルを売っており、円建ての場合は金を買って円を売っている。
ドル建てのETFでは、ドルが分母、買ったものが分子となるため、ドルが下がるとパフォーマンスが良くなる。
トヨタを買った場合
ドル建てのトヨタ株である「TM」を買った場合、今年は9.3%上がっている。

それに対して、円建てのトヨタ「4203」を買った場合は、約4%上がっている。

パフォーマンスに約5%の差が出た理由は、やはりドル円指数が5%下がったためである。
このように、円建て商品は「円が強い場合」にパフォーマンスが良くない。
新興国株の場合
私がお勧めするドル建てインドネシアETFの「EIDO」を見てみよう。
過去5年のチャートを見ると、この5年間はあまり上がっていないことが分かる。

この理由はやはり為替で、EIDOはドル建てであるため、ルピア建てのインドネシア株を買って、ドルを売っている。
つまり、ルピア建てのインドネシア株が分子、ドルが分母である。
下の図のように、この5年間はルピアに対してドルが強かった。

ルピア建てのインドネシア株式指数は約40%もの上昇を見せていたが、ドル建てでは約30%の上昇となる。
約10%の差が出た理由は、やはり為替が10%動いたためである。

これから買うべきは円建てかドル建てか?
今後はドルが長期的に下がることが見込まれるため、買うべき商品は「ドル建て」が最適だ。
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