高橋ダンがレバレッジとインバースETFについて解説しました。この商品は絶対に買ってはいけないと警告しています。その理由を…まるっと要約!
保険としてレバレッジインバースETFを買う?
レバレッジETFとインバースETFを使えば、オプション取引や空売りをしなくても「保険」になるという質問をよく受ける。
私の答えは「No!」だ。絶対に買ってはいけない。その理由について解説していく。
レバレッジETFとは?
「SSO」というS&P500に連動する2倍レバレッジETFがある。
簡単に説明すると、S&P500が1%上がるときに、SSOは2%上がるというものだ。
では実際にはどうなっているのか、チャートを見てみよう。

上の図はS&P500のETFである「SPY」のチャートだが、今年14.41%上がっていることが分かる。
ということは、2倍レバレッジETFの「SSO」は、今年28〜29%上がっているはずである。

実際にSSOのチャートを見てみると、今年は15.72%しか上がっていないことが分かる。
いったいどうなっているのか?
インバースETFとは?
インバースETFとは、ある指数とまったく逆に動くETFのことだ。
「SPXU」というS&P500の3倍インバースETFは、S&P500が1%上がったときに、SPXUは3%下がるように作られたETFだ。
S&P500は今年14.41%上がっているから、3倍インバースのSPXUは43〜44%下がっているはずだが、実際にチャートを見てみよう。

なんとSPXUは、今年70%の大暴落をしている。
一体なぜなのか?
レバレッジETFとインバースETFの値動き
レバレッジETFの「SSO」とインバースETFの「SPXU」は、いずれも今年は想定と大きくかけ離れていたことが分かったが、その理由は何か?
英語で書かれたETFの説明文を見るとその答えがわかる。
そこには「1日だけ」と書かれているのだ。
つまりSSOが2倍動くのと、SPXUが反対に3倍動くのは1日のみで、翌日にはリセットされる。
そのため、これらのETFを1日以上持つと、リセットが繰り返されることで複利効果のような働きが起き、想定外のパフォーマンスとなる。
結局のところレバレッジやインバースETFは、デイトレーダーやプロ投資家のための商品なのである。
またこれらのETFは、管理費用が約1%と高く、長期保有に向かない。
終わりに
金融の世界では、金融リテラシーの低い人にクレイジーな商品を売りつけることがある。
レバレッジやインバースETFも、オプション取引や空売りを知らない人に「保険になる」と言って売りつけている。
こんなクレイジーなETFを買ってはいけない。
ちゃんとしたETFを長期保有したほうが、絶対にパフォーマンスは高くなるので、知識を身に付けてほしい。
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