高橋ダンが初心者向けに、ETFを活用した老後資金のための長期投資ポートフォリオの作り方を解説しました。
「なぜETFなのか?なんのETFを買えばいいのか?」
そんな疑問にお答えします。初心者向けとあるも多くの人に参考になるはずです。
以下は要約になります
老後資金のために、なぜ投資が必要なのか?
老後のためにお金を貯めることは必要である。それは誰にもでもわかるだろう。
ではそのためにはなぜ投資が必要なのか。
それは「複利」を味方につけることができるからだ。
多くの日本人は金融リテラシーが低いため、そのことを理解せずに現金で資産の大半をもってしまっている。

上の図は少々データが古いが、今でも日本人の資産の大半は現預金である。
このことは世界的に見て異例なことで、長引くデフレと経済成長しないことがその要因だ。
日本経済の成長が見込めないなら、米国株に投資すればいい。
そんな簡単なこともできないのは、日本人の金融教育が適切に行われていないためであろう。
まずはETFを買え!
投資初心者が考える投資先は「株」だと思う。
最初に株を選ぶのは間違っていないが、株は値動きが激しく「危険なギャンブル」というイメージが初心者にはある。
そこでオススメするのは、全体指数に投資する「ETF」を買うことだ。
歴史的に見て米国株式の全体指数は毎年上がっている。
米国株式の平均成長率は7%であり、仮に利回り6%で毎月1万円を積立投資したら30年後には約1,000万円になる。これが複利のパワーだ。
市場の全体指数を買う方法は、「ETF」と「投資信託」の2通りあるが、私は以下の理由で「ETF」を買うことを勧める。
- ETFは取引市場が開いていれば、いつでも売買できる。
- ETFのほうが管理手数料が安い。
ただし、積立NISAやiDeCoなど税制上の優遇を受けられるのなら、その範囲内で「投資信託」を買ってもいい。
具体的に何を買うべきか?
私はあなたの資産の「70〜90%を長期投資」、「10〜30%を短期投資」で運用してほしいと考えている。
「長期投資」は老後資金確保のために必要だが、それだけでは足りない。
数日から数ヶ月単位でチャートを使って「短期投資」をすることで、トレンドの波に乗ることができる。
「長期投資」と「短期投資」の両方でETFが使えるので、具体的に何のETFを買えばいいのか私の考えを述べる前に、まず以下の図を見てほしい。

私は、長期投資を3つに分けて考える。
緑の部分は、経済が成長したときに上がるものだ。
歴史的に世界経済は成長するものであり、経済成長することで会社は利益を上げ株価が上がる。
赤の部分は、安全資産のカテゴリーであり、米国と欧州の国債の安全性は現金と変わらない。
黄色の部分は、コモディティである。現在、世界各国政府は借金を大きく増やしており、私はいずれインフレや通貨危機が起きると考えているため、この部分は重要だ。
上記3つともETFで対応可能なので、具体的に買うべき銘柄を挙げたいと思う。
株式・社債・不動産
株式
株式については、以下の銘柄がオススメだ。
- 「SPY」米国S&P500大手企業
- 「IWM」米国ラッセル中小企業
- 「VEA」米国を除く先進国株式
- 「VWO」新興国株式
- 「1321」日経平均株価と連動
- 「2516」東証マザーズと連動
- 「2800」香港ドル建て中国株式
- 「SX5S」ユーロ建てユーロ株
- 「VAS」オーストラリアドル建てオーストラリア株
- 「VNM」ベトナム株
- 「EWY」韓国株
- 「INDA」インド株
初心者にありがちなのが、全世界株式「VT」を1つだけ買うことだが、それは間違いである。
「VT」は全世界株式とあるが米国S&P500と連動しており、実質的には米国株なので多様性がなく分散が効いていない。
株式の内容だけでなく、通貨も多様化することが重要だ。
- 米国ドル建てを1/3
- 日本円建てを1/3
- その他の通貨建てを1/3
で運用することが理想だが、その他の通貨建てが難しければ割合を下げてもいい。
株価と同様にFXも動くので、米国ドル建てと日本円建てだけでは分散が効いていない。
社債
社債でオススメできるETFは、「HYG」のみだ。
ドル建ての米国高利回り社債で、配当利回りが高いことも魅力である。
不動産
不動産でオススメのETFはないが、永住する場所が決まっているのならマイホームを買ってもいいと思う。
マイホームは買う利点がないとよく言われるが、家賃を払ったところで何も返ってこないのは事実だ。
住宅ローンを利用してマイホームを買えば、やがて資産となる。
ただし最も重要なことは、これから地価が上がり続けるエリアの住宅でなければ意味がない。
国債
国債のオススメは以下の通りだ。
- 「TIP」インフレ連動で期間の短い米国債
- 「SHV」残存期間1年以下の米国債
- 「SHY」残存期間1〜3年の米国債
- 「IEF」残存期間7〜10年の米国債
- 「TLT」期間20年以上の米国債
いずれも安全商品であり、期間によって分散させることができる。
現金と同じ値動きをするため、国債を持っているなら現金比率を下げてもいい。
コモディティ
コモディティ全体に投資する「DBC」がオススメだが、これだけでは多様性が足りないため、以下のETFを加えるべきだ。
- 「DBA」農業商品
- 「DBB」金属
- 「GLD」金
- 「SLV」銀
- 「PPLT」プラチナ
- 「USO」原油
最後に…
何度も言うが、投資が重要なのは複利のパワーがあるからだ。
早く投資を始めた分だけ、複利のパワーがでる。明日にでも投資を始めてほしい。
ウォール街の格言にこんな物がある。
「100%を作るより、10%を10回作れ。」
この考えに基づいて短期投資をやるのだ。トレンドに乗れば10%の利益を10回あげることなら1年で達成できるかもしれないが、100%の利益をあげることは非常に難しい。
また長期投資においても、複利とは毎回の小さなリターンの積み重ねで大きなパワーを生むものだ。
年利6%は小さいが、30年続けることで大きなリターンとなる。
そして、長期投資も短期投資も、私が挙げたETFで全てできる。
「分からない。怖い。」
と思うかもしれないが、まずは投資を初めて経験を積んでほしい。
「面倒だからETFを2〜3個だけかう。」
は大間違いだ。
重要なのは分散と多様性。もし迷うことがあれば私のユーチューブや本を見て勉強してほしい。
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