はじめに
今回は飯野謙次さんと宇都出雅巳さんの著書『ミスしない大百科』を紹介していきます。
人は誰しもミスをしてしまうものです。私もしょっちゅうミスをしていて、いつもビジネスパートナーにか助けてもらっています。
著者の1人である飯野さんは、東大を卒業後にスタンフォード大学で博士号を取得するほどのエリートなんですが、それでも人ですからやはりミスをしてしまっていたんです。
ここで普通じゃないのが飯野さんなんですが、そこから「なぜミスをしたんだろう…」と考え始めて、最終的に恩師とともに『失敗学会』というものまで立ち上げます。
そして『気をつけようでミスはなくならない』という答えにたどり着いたんです。
ではミスを無くすためにはどうしたらいいのか?この本にはそのための具体的な方法が山ほど書かれています。
この記事を最後まで見ないことがあなたの『ミス』というくらいためになる内容ですので、是非最後までご覧ください。
ミスがなくならない理由

そもそもミスをしてしまう根本的な理由、それは脳は注意できる数に限界があることです。
試しに『98×287』この式を暗算しながら、スマホでネットニュースを読んでみてください。
天才ではない私たちの脳では計算するのに必死になって、 ニュースのことなんか頭に入ってくる訳がありません。
また、あなたもこういう経験ありませんか?例えばスマホゲームをしている最中に声をかけられても、すぐ反応できなかったという経験です。
これはつまり、脳の注意できる数に限界があるということです。
脳はそもそも、結構ミスをしてしまいがちなメカニズムになっていて、記憶違いもその1つです。
なぜ記憶違いが起きるのかというと、『潜在記憶』が関係しています。
潜在記憶とは『注意を向けなくても勝手に脳が記憶してくれる』という素晴らしいシステムです。
例えば人が本を読めるのも、今まで使ってきた日本語の記憶が勝手に引き出されているからです。
しかしこの潜在記憶にある過去の経験や記憶に縛られてしまい、思い違いや記憶違い、思い込みといったミスにつながってしまいます。
ミスには大きく5つの要因があります。
ミスの要因1【注意不足】
約束を忘れていた場合のような記憶違いや、タイプミスのような誤字脱字もこれに当てはまります。
あとは気付かずに誰かにぶつかってしまったというのも注意不足です。
ミスの要因2【伝達不足】
例えば、「この資料の締め切りは一週間後!」と言われたにもかかわらず、全然違う内容の資料を作ってしまったり、あるいは締め切りを間違えてしまうといったものが当てはまります。
要するに、人とのコミュニケーションよって生じたミスが『伝達不足』というわけです。
この場合は自分だけでなく、相手の言い方にも問題があるパターンがあります。
ミスの要因3【計画不良】
充分な作業ができなかったため失敗してしまう『作業不足』、あるいは資金や人員が足りなくて失敗してしまう『計画不足』、仕事の管理ができずに失敗してしまう『管理不足』、必要な能力を見積もることができずに、能力・経験不足がすべて計画段階で改善可能なものになるので、まとめて『計画不良』としています。
ミスの要因4【学習不足】
これはものすごい単純な話で、知っていなければいけないものを知らなかったから失敗してしまったというものです。
ミスの要因5【自然】
避けることが不可能なトラブルにより発生してしまう、どうしようもないミスです。
よくあるのが電車の事故による遅延により、出勤時間に遅れてしまうといったものです。
ここで大事なポイントなんですが、この4つ目までのミスは原因を考えれば対策も立てることができます。
このミスをなくすための仕組みを作るのが、唯一のミスをなくす方法です。ではいよいよその方法を具体的に紹介していきます。
『なくす』『忘れる』がなくなる整理術

忘れ物が多い人いますよね。私も本当に忘れ物が多くて、この前なんで娘と二人で釣りに出掛けたんですが、そのときに釣り竿を忘れました…。
私のように忘れ物が多くて困っている人!安心してください。これを解決する策として『置き場所を決めてしまう方法』があります。
何をどこに置くのかを決めておく。つまりそこに置きさえすれば、ミスは限りなくゼロになります。
またそれも難しいのであれば、ルーティーンに組み込んでしまうのもアリです。
例えば携帯の充電をすぐ忘れる人がいたとします。そういった場合、家に帰ってきたらまず充電するみたいに、習慣でやる仕組みにしちゃうと忘れにくくなります。
ちなみに私の場合それでも忘れるので、常にバッグに電池式の充電器を入れておいて、忘れても問題がないように仕組み化しています。
また、やらなきゃいけないことをすっかり忘れてしまうことも結構ありますよね。
どうすればこれをなくせるのかというと、『忘れることができない状況を作る』という方法があります。
もう仕組みから作っちゃうんです。具体的には著者の場合、例えば手紙の投函をしなければいけないとします。
その場合は朝から手紙を手に持っているそうです。コレは確かに忘れないですよね。
また持っていかなければいけないものを、必ず気づくところに置くんです。
家のドアノブのところとか財布の上など、必ず出かける前に見えるところはありますから、これはぜひやってみてください。
集中力がなくなってミスが増えるときの解決策

集中力がなくなると、ミスが起こりやすくなります。実は人間の裏技として『フロー』という状態があるのを知っていますか?
一般的には『ゾーン』と呼ばれたりもするんですが、これは心理学者のチクセントミハイが詠唱したもので、我を忘れて没頭している状態のことです。
私たちでいうと、学生のときに時間を忘れてゲームに没頭したことがありませんか?
あれがまさにフローの状態でして、フローに入るためにはいくつかコツがあるんです。
1つ目は『明確な目標を持つこと』です。
これは締め切りのような『タイムリミット』が、一番わかりやすいかと思います。
2つ目は『進捗状況がすぐにわかること』です。
作業の進み具合がすぐにわかると上手くいっていることが実感できて、フローに入りやすくなります。
作業を数ブロックに分けるとより把握しやすいです。
3つ目は『挑戦と能力の釣り合いを保つこと』です。
例えばRPGをプレイするときに、レベル上げの際にザコ敵ばかりを倒す作業って苦痛ですよね。
かといって、明らかにレベルに差がある敵と戦うのもキツイです。
ですので自分の能力に見合った敵を選んで、レベル上げに励むと結構楽しめるんです。
これは仕事においても同じで、丁度いいストレスがかかるくらいの作業のほうが集中力が増して、フロー状態になりやすくなります。
4つ目は『仕事の意義や意味を理解すること』です。
たとえば会議の議事録を取る仕事を任された際に、「細かい作業を嫌いなんだな」といった意識で仕事していると、集中できるわけがないんです。
でも「議事録を取ることで会議の内容を皆と共有できる」と議事録を取る意味を把握すると、フローに入りやすくなるんです。
5つ目は『注意を奪うものを遠ざける」ことです。
受験生がゲームやスマホを封印するのがまさにそうです。
6つ目は『対象と一体化すること』です。
対象に注意が向き続けると、自分と対象が一体化したような感覚になります。
すると様々な感情や欲望も抜けていき、より一層集中力が高まります。
7つ目は『活動や経験を楽しむこと』です。
作業中は結果を考えるよりも、その作業そのものを楽しめる状態になるとフローに入りやすくなるんです。
すると注意を無駄なく使えるのでより一層作業にのめり込み、そして楽しくなっていきます。
これらをうまく活用して集中力を上げれば、フローに入れてミスはなくせます。
ここからは私の意見ですが、このフローに入るためにはその人なりの『ルーティーン』を持っている人が多いんです。
最近読んだマンガで『左利きのエレン』という漫画があるんですが、天才的な絵を描く主人公のエレンは、フードをかぶり視野を狭めることがルーティーンで、こうすることでフローに入ることができます。
ルーティーンには人それぞれやり方があって、私の場合は作業するために一度だけ大きく深呼吸してから作業をする習慣を持っているんですが、あなたなりのルーティーンはありますか?
おそらく自分では気づいてない人多くて、「なんか今日集中して勉強できたな」とか「今日は仕事の効率いいな!」という日は、無意識のうちにフローに入るためのルーティーンをやっているかもしれません。
ぜひあなたのルーティーンを探してみてください。
優先順位をつける方法

仕事って次から次へと押し寄せてくるときがありますよね。
しまいにはどこから手をつけていいのか分からなくなって、最終的にミスをしていまいます。
では優先注意をつけるためにはどうしたらいいのか?
まずはあらゆる仕事を片っ端から書き出しましょう。
次に仕事を『自分ができること』か『他の人もできるものか』に振り分けます。
次に他の人もできる場合、誰にお願いするかを決め、頼んでしまいます。
そして最後に残った『自分しかできない仕事』をやります。
この際、自分の仕事は緊急性と重要性の両方の注意を向けて、優先順位を決めるのがポイントです。
まず最初は『緊急で重要な仕事』をやりますが、これを振り分けることにより『緊急性は高いけどあまり重要ではない仕事』に飛びついてしまうことがなくなり、重要性も考慮した上で本当に優先順位の高い仕事に取り組めるようになります。
終わりに
本日のまとめです。
- ミスがなくならない理由
- 脳にはミスをするメカニズムがある。
- 「なくす」「忘れる」がなくなる整理術
- 置き場所を決める
- ルーティーンに組み込む
- 絶対見る場所に置く
- 注意力がなくなってミスが増えるときの解決策
- フローに入ると集中力が持続して、ミスが減る
- 優先順位をつける方法
- 他人ができる仕事と、自分しかできない仕事に分ける
- どれが重要で緊急なものなのかを分ける
ミスには記憶という脳の機能が深く関わっています。
だからこそその原因を探して対策を作れば、ミスはガクッと減ります。
もうこの本を読まないことが、あなたのミスです!興味がある人はぜひ手にとってご覧ください。
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