人生の8割は決められている!?橘 玲「世界にひとつしかない「黄金の人生設計」」を要約してみた

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【橘 玲】「世界にひとつしかない「黄金の人生設計」」を世界一わかりやすく要約してみた【本要約】
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はじめに

汝、人生を前向きに語るなかれ

今や年間の自殺者数は3万人を超え、自己破産件数は30万件に迫ろうとしている。

給料は減り退職金制度は廃止され、終身雇用制は能力主義と容赦ないリストラに取って代わられた。

私たちはもはや、国家にも企業にも頼ることはできない。

懸命に働けば、努力は必ず報われた幸福な時代は二度と戻ってこない。

そんな時代において必要なのは『世界にたったひとつしかない自分だけの設計図』を描く知識と技術である。

世界にひとつしかない「黄金の人生設計」

今回は橘玲さんの「世界に一つしかない黄金の人生設計」を要約していきます。

この本の冒頭で橘さんは私たちに次のように語りかけます。

「汝、人生を前向きに語るなかれ」

「私たちはもはや国家にも企業にも頼ることはできないんだ」と。

そのうえで次のように問いかけるのです。

「現在のあなたは国家や企業などの第三者に依存していないだろうか?自分自身で立つことはできているだろうか?日々の生活の糧を第3者から与えられながら、人は自由に生きることができるだろうか?」

これはこの時代を生きる私たち全員に投げかけられた問いです。

国家にも企業にも依存せずに、自分と家族の生活を守ることのできる資産を持つことを『経済的独立』と言います。

人生を経済的側面から考えるのならば、私たちの目標はできるだけ早く経済的独立を達成することにあります。

第三者に依存している状態に自由はありません。真の自由は経済的独立の先にあるものです。

橘さんは「それは誰もが限られた時間の中で、かけがえのないただ一度の人生を作り上げていかなくてはいけない。」と言っております。

そのときに必要なのは、世界にたった1枚しかない自分だけの設計図を描く知識と技術です。

本書は私たちに数々の人生に対する洞察を与えてくれます。

この記事をきっかけにして、自分の人生について深堀りして考えていこうではありませんか。

人生の8割は決められている

まず人生を考える上で大切な『自由』について考えてみましょう。

「俺の人生は俺の自由だ」という人は結構います。確かにこれは近代社会の根幹を成す大切なルールです。

日本社会においてもを18歳を過ぎていれば、あなたがどのように生きるべきか誰にも命令することはできません。

それと同時に私たちが生きている近代社会では、成功も失敗もすべての結果はあなた自身が一身に負うべきだと考えられています。

これが近代的な『自由』の意味なのです。

ところで人生は無限の可能性に満ちているわけですが、誰もがその可能性を実現できるわけではありませんよ。

それは一体なぜなのでしょうか?なぜ私たちは無限の可能性を実現し、自由に生きることができないのでしょうか?

それは私たちが自由な個人であると同時に、社会の中でしか生きることができない存在だからです。

社会というのは人と人との関係から成り立っていますから、いくらあなたが自由に生きる権利を持っているからといって、あなたの夢が常に叶えられるとは限りません。

その理由は簡単で、あなたの周りにいる人たちもあなたと同じように自由に生きる権利を持っているからです。

あなたの持っている自由と他人が持っている自由は等しい価値ですから、複数の自由な個人が相反する権利を主張したら、お互いにに譲り合うなりして利害を調整しなければいけません。

そのためのルールが法律であり、そのルールを作る仕組みが政治なのです。

決められたルールが正しく運用されているかどうかをチェックするため、裁判所や行政警察などの組織も必要です。

このようにして自由な個人が集まって生まれた近代社会は、無数の自由を調整するためにますます不自由なものになってしまいました。

21世紀になって経済の発展とテクノロジーの進歩によって、人々がますます自由になるとともに個人を管理する社会システムも巨大化していったのです。

『人は自由になるほど不自由になる』これが近代社会の大きなパラドックスです。

その他にも私たち日本人が課せられている『社会的ルール』もあります。

もちろん日本国籍を持ち日本に暮らす以上、私たちは日本の法律に従わなくてはいけません。国家や地方自治体に対する納税の義務もあるでしょう。

日本人である私たちに課せられたルールは、言語や法律だけではありません。

例えば中学校までは義務教育ですから、15歳までは学校に通わなければなりません。

その先には『大学ぐらい出ておかないと、まともな会社に勤めるのは難しい』という暗黙のルールもあります。

さらには一般の会社には60歳から65歳で定年を迎え、強制的に退職させられるルールもあります。

このように私達は日本人として日本国で暮らす以上、日本という国が置かれた状況に人生の大きな部分を規定されてしまっているのです。

また日本人として避けられない運命も存在し、それは『少子化』と『高齢化』です。

あと20年もすれば日本は世界でも類を見ない超高齢化社会になってしまいます。

人口構成上、扶養する若者より扶養される高齢者の方が多くなるわけですから社会保障費は高額になり、給付される年金は激減するでしょう。

これに関しては色々な資産や対策が議論されていますが、どんなことをしてもこの結論は変わりません。

それは人口動態から分かる『決まった未来』なのです。

日本政府が景気対策のために発行した莫大な国債の問題もあります。

国債は国の借金ですから、いずれは返済しなければなりません。返済の原資は税金以外ありませんから、増税は時間の問題です。

このように私たちは日本人としてこの国で生きていく以上、日本という国の置かれた状況とそれが私たちの人生におよぼす影響について、冷静に分析しなければなりません。

私たちは大きな枠の中でしか生きることができません。こうした生物的、社会的、様々な制約を人生の土台と呼ぶならば、人生の8割は土台からできています。

逆に言えば残りの2割の中でしか、人はポジティブな人生を生きることはできません。

その2割でポジティブな人生を語るためには、まず人生をネガティブに語り始めなければならないのです。

人生をネガティブに語るとは、例えば私の人生はどのような条件によって規定されているかを考えることです。

土台の部分の構造がわかれば、その上で初めて設計が可能になります。

土台を無視して家を建てるのができないのと同様に、人生のインフラを考慮しない人生設計は単なる夢想に過ぎません。それではどんな目的も達成できないでしょう。

人生の8割が土台であれば、個性がどうのと言う前に『土台の構造』だけで大抵のことは説明できてしまいます。

本書が扱うのは人生の8割を占めるインフラすなわち『土台の部分』のうち、経済的な側面だけです。

バブル崩壊を機に日本の将来は混迷を深め、私たち日本人の人生も不確実性の暗い海の中に投げ出されてしまいました。

そんな時こそ土台がしっかりしていないと、自由であるはずの人生はあっという間に崩壊してしまうのです。

  • 僕らが自分の人生を自由に生きられないのは、あなたの周りにいる人たちもあなたと同じように自由に生きる権利を持っているからである。
  • 複数の自由な個人が相反する権利を主張したとしたら、お互いに譲り合うなりして利害を調整する必要があるため、僕らは自由に生きることができない。
  • 日本人として日本で暮らす以上、日本という国が置かれた状況に人生の大きな部分を規定されてしまっている。
  • 生物的・社会的な様々な制約を人生の土台と呼ぶならば人生の8割は土台からできていて、残りの2割の中でしか人はポジティブな人生を生きることができない。
  • 自分の人生はどのような条件によって規定されているかという土台部分の構造が分かることで、初めて人生設計が可能となる。
  • 土台を無視して家を建てることができないのと同様に、人生のインフラを考慮しない人生設計は単なる夢想に過ぎない。

日本の運命

まず知っておかなければならないのは終身雇用制度が崩壊したため、たとえ一部上場企業に勤めていたとしても定年まで今の会社で働ける保証がなくなったことです。

そして年功序列が崩壊したため、普通に働いていれば昇進昇給が保証され、無事に定年を迎えれば老後を人なみに過ごすぐらいの退職金がもらえることもなくなりました。

次に知っておかなければならないのは、『メインバンク資本主義の崩壊』です。

メインバンク資本主義とは、メインバンクが手取り足取り企業の面倒を見ることで成立する資本主義のことです。

これが崩壊したことにより、勤めている会社自体が市場競争にさらされ消滅してしまうかもしれません。

そして不景気による失業率の上昇によって、大学を出たからといって就職できるとも限りません。

終身雇用制度の悪癖によって日本では労働市場が機能していないため、就職に失敗したり一旦離職したりすると再就職は非常に難しいく、特に中高年の再就職は絶望的です。

次に知っておかなければならないのは『不動産』についてです。

不動産価格の大幅下落によって、サラリーマン時代に持ち家を取得しておけば一生安泰という神話が崩壊しました。

また老後についても、年金制度の破綻によって年金保険料の増額と給付の減額が誰の目にも明らかになりました。

つまり老後を年金だけで過ごすことは不可能になったのです。

健康保険制度の破綻によって今後、健康保険料や医療費が大幅に上昇することが確実です。

税金についても、景気対策のための国債増発によって国が巨額の借金を抱える状態になりました。

この借金を返済するため将来の増税は不可避でしょう。

さらに少子化高齢化により、あと20年もすれば日本は世界でも類を見ない超高齢化社会になってしまいます。

人口構成上、扶養する若者よりも扶養される高齢者の方が多くなるわけですから、社会保険料は高額になり給付される年金は激減するでしょう。

ここまで日本の運命をまとめてきましたが、ちょっと暗い気持ちになってしまいますよね。

しかし私たちが日本で暮らす以上、私たちの人生のインフラを決める『日本の現状』について目を逸らさずに知っておかなければなりません。

どれ一つとっても、バブル景気で世の春を謳歌していた10年前には考えることすらできなかったことばかりです。

いかに巨大な変化が日本を襲ったかがお分かりいただけたと思います。

こうした過酷な状況の中で、私たちは自分の人生を公的サービスに頼ることなく設計していかなくてはならないのです。

その際のキーワードが『経済的独立』です。

この経済的独立について詳しく解説する前に、ここまでの内容をとまとめておきましょう。

日本の運命

  1. 終身雇用制年功序列が崩壊した。
  2. メインバンク資本主義が崩壊した。
  3. 不景気による失業率の上昇により、大卒でも就職できるとは限らなくなった。そして再就職も厳しくなった。
  4. 不動産価格の大幅下落によって、サラリーマン時代に持ち家を取得しておけば一生安泰という神話が崩壊した。
  5. 社会保険費は高額になり給付される年金は激減するので、老後を年金だけで過ごすことは不可能になった。
  6. 国が抱える巨額の借金のため、将来の増税は不可避となった。
  7. これらの厳しい状況を私たちはしっかりと頭に入れておかなければならない。これらの土台を理解したうえで、自分の人生をどのように設計していくのかを考えなくてはいけない。

経済的独立に向けて

経済的独立とは文字通り『お金を他人に依存しないで済むこと』です。

経済的に独立すればやりたい仕事を選べ、したくない仕事をしないで済みます。お望みならば全く働かなくても良いです。

自分や家族が住みたい場所に住め、会社の都合で住所を決められずに済みます。子どもたちに最良の教育を受けさせ、彼らの将来をより良いものにできます。

自分の趣味を楽しむのも良いでしょう。旅行でもスポーツでも芸術でもあなたは自由に行うことができます。

真の自由とは経済的独立からしか生まれません。

このように経済的独立とは働かなくても生きていける立場になることです。というとなんだか金持ちのススメみたいですが、そんなことはありません。

サラリーマンであれば、よほどのことがない限り65歳で現役を引退することになります。

このとき働かなくても生きていける立場になっていなかったら死んでしまいますから、人生の最終目標は経済的独立になります。

ところが日本の場合、現役引退後の生活は公的年金によって保障されていましたから、これまで経済的独立があまり意識されてこなかったのです。

国家の力によって誰もが自立できたため、考える必要もなかったのです。

では私たちは人生の目標を65歳あるいは60歳で経済的に独立することと決めて、人生を設計すれば良いのでしょうか?

そんなことはありません。働くことが物理的に不可能になった時点で経済的に独立していることは、人生設計の最低条件でしかありません。

もっと早くその目標を実現したって全然構わないからですから、中学を卒業して働き始めて18歳で1億円ぐらいの資産を形成して経済的独立を達成したっていいわけです。

誰もが自由に憧れますから、アメリカの若いビジネスマンの間では少しでも早くできれば20代で経済的に独立を達成することが人生の第一目標になってきています。

目標通り独立できたならば、その後どのように生きるかは自由に選択すれば良いわけです。

私たちはいつのまにか、65歳で経済的に独立するという最低の目標を人生における最終の目標と取り違えていたようです。

私たちもできれば20代、それが無理なら30代あるいは40代で経済的独立を達成できるように人生設計を根本的に組み直す必要があるのです。

それに失敗した時に最低でも65歳で経済的に独立できるように、リスクをヘッジした計画を立てておけばいいのです。

では私たちはどのようにして経済的独立を達成すればよいのでしょうか?

経済的独立の基準が『資産と運用利回り』から導き出せることは誰にでもすぐ分かります。

まずあなたが明日会社を辞めたとして、家族が生きていくのにいくら必要かを考えるのです。

子どもの教育費などを含めて年600万つまり月50万のキャッシュがあれば大丈夫ならば、毎年税引き後に600万円の運用益を得られるだけの金融資産が必要になります。

仮に運用益にかかる税金を一律20%とするならば、税引き後の600万円は税引き前で750万円になりますから、必要な金融資産と運用利回りの関係は次のようになります。

このように利回りと金融資産の関係は、誰でもすぐに計算できます。

かなり難しいですが毎年コンスタントに10%の利益を上げられるのならば7500万円で経済的に独立です。

ある程度の余裕を見て5%の運用利回りを見込めば、1億5000万円で経済的独立が達成できることになります。

もちろん個人個人の人生プランによって、様々なバリエーションがあります。

子供が独立して家のローンも完済していて、夫婦で300万円もあれば独立できる人や、日本を脱出して物価の安い地域で暮らすから年間100万円で十分という人もいるでしょう。

逆に一度しかない人生を思いっきり贅沢に過ごしたいから、1年に少なくとも3000万円の生活費は必要という人だっているでしょう。

これは個人の価値観の問題ですから、他人がとやかく言うことではありません。

とにかくどのような人生プランであろうとも、経済的独立に必要な資産は『必要額と運用利回り』から簡単に導き出せます。

人生プランと目標額が決まれば、あとは簡単です。できるだけ早く資産が目標額に到達するようにお金を稼げばいいのです。

ではどうやってお金を稼げばいいのでしょうか?

筆者は「そんなこと私には分からない」と言います。

どんな本にも言えることですが「こうすればお金持ちになれるよ」なんて具体的な方法が書いてあるわけがないのです。

そもそも誰にでもできるお金持ちになる方法など存在しないのですから、仮にお金持ちになれる具体的な方法が本に書いてあるのならば、みんなそれを実行してしまってその方法は何稼げなくなってしまいます。

「せどりが儲かるよ」と言われたら、最初は確かにせどりをやる人が少なかったから儲かったけれど、結局みんなが始めたら儲からなくなるわけです。

本書は「経済的独立が大切だ」と、とてもわかりやすく教えてくます。

自分が毎年いくら収入があれば働かなくても良いのか、その収入を得るために必要な金融資産はいくらなのかを、具体的な数字を出して教えてくれます。

この具体的な計算によって私たちの人生設計は決まるでしょう。

しかし具体的なお金を稼ぐ部分については、私たち一人一人が自分オリジナルの設計図を描くしかないのです。

  • 経済的独立とは働かなくても生きていける立場になることである。
  • 真の自由は経済的独立からしか生まれない。
  • 経済的独立の基準は『資産と運用利回り』から導き出せる。後はその目標となる金額を稼げば、経済的独立は達成できる。
  • 具体的にお金を稼ぐ方法は、私たち一人一人が設計図を描くしかない。

終わりに

私たちの人生の土台は、日本の状況などの外部要因によって人生の8割が決められています。

そして残りの2割を私たちは操ることができ、この2割をポジティブに生きるために私たちはその8割の土台についてしっかりと知らなければなりません。

その8割の土台の中でもっとも知らなければならないのは『日本の運命』でしょう。

書店に行けば「人生は思った通りに実現できる」とか「努力すれば必ず夢は実現できる」といったポジティブな本があふれています。

そんな中で橘玲さんは一貫して人生をネガティブに語り、他の人があまり言わないことをストレートに伝えてくれるので、私は非常に学びが大きいといつも感じます。

例えて言うならば宝くじを当てる方法ではなく、「宝くじは効率が悪いよ」と教えてくれて、宝くじを買わなくても生きていけるための現実的な方法論を語ってくれていると感じます。

本書をきっかけにして、自分の人生について深堀りして考えていこうではありませんか。

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