カモにされるか、資産を守るか。橘玲「臆病者のための億万長者入門」を要約してみた

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はじめに

今回は橘玲さんの「臆病者のための億万長者入門」を要約していきます。まず初めに身も蓋もないことを言ってしまいます。

株式投手はギャンブルである

そんなわけないだろうと思った方は、ぜひ最後までご覧ください。その上で反論していただければと思います。

第1章 億万長者になるのは簡単だ

皆さん突然ですが億万長者になりたいですよね?

そんな私達の欲望に付け入って、「月5万円の積立で1億円貯められる」とか言う変な金融商品がいっぱいあります。しかしそんなうまい話はないので、いつも私達は騙されて失望していたわけです。

「やはり1億円への道のりは遠かった…」「そもそも億万長者なんて一握りの存在だから、俺がなれる訳がない」知らず知らずのうちに億万長者になることは他人ごとになり、実現不可能な夢に感じてしまっているかもしれません。

しかしガッカリしなくて大丈夫です。なんと誰でも億万長者になれるのです。

その理由は、私たちが豊かな日本に生まれたからであり、豊かな日本においては勤勉と倹約により誰でも億万長者の仲間入りをすることができるからです。

では実際のデータを見ていきましょう。アメリカには面白い研究をしている学者が沢山いて、その中で大学教授スタンリーはアメリカ全土の億万長者を対象とした大規模な調査を実施しました。

その実験の結果、アメリカの典型的な億万長者がニューヨークのペントハウスではなく、なんと労働者階級が住む下町のありふれた家に住んでいることが判明しました。

つまり億万長者は六本木ヒルズではなく、あなたの隣にいるのです。

その理由は簡単で、お金を使えばお金は貯まらないからです。

さらに私達はお金持ちになるには年収が一番大事だと考えがちなのですが、スタンリーの本には3000万円を超える年収を得ながら、本人と家族の浪費癖のために殆ど貯蓄がなく、将来の不安に悩んでいる医師が登場します。

その一方で公立学校の教師として働きながら50代でミリオネアの仲間入りをし、退職後の優雅な生活が約束されている夫婦も出てきます。

つまり資産とは収入の多い少ないによって決まるのではなくて、収入と支出の差額から生み出されるものなのです。

いくら年収が高くても、浪費していたらお金は貯まらない。当たり前ですね。

そして億万長者になりたいならば、収入を上げると同時にしっかりと倹約しなければならないのです。だからお金持ちはあなたの隣に存在するのです。

よくお金持ちがケチだと言われますがあれば論理が逆で、ケチだからこそお金持ちになれたわけなのです。

スタンリーが紹介するアメリカの金持ちはとても質素な生活をし、安物のスーツを着て頑丈だが燃費のいい車を乗りつぶし、周囲は誰も彼らを億万長者だと思わないのです。

収入の10〜15%をしっかりと貯金する倹約生活を続けていれば、誰でも可能らのような億万長者になるとスタンリーは主張します。

例えば日本では平均なサラリーマンの生涯賃金は、3〜4億と言われております。そして共働き夫婦の生涯年収の合計総額を6億円と仮定しましょう。そのうち15%を貯めれば、それだけで9000万円貯まることになります。

もし10%しか貯めれなくても6000万円です。この6000万円を年利3%で運用すれば、退職後の資産は1億円を超えているはずです。

こんな説明をしても「いやいやそんなのただの理屈じゃないか」という声が聞こえてきそうなので、次のようなデータはいかがでしょうか。

アメリカの調査によればアメリカの全世帯数は1億1千万、それに対して資産1億円以上の世帯数が900万世帯を超えています。つまりミリオネア世帯の比率は約8%、およそ12世帯に1世帯が億万長者になります。

どうですか皆さん、これを思ったより多いですよね?億万長者ってほんの一握りかと思いきや、12世帯に1世帯が億万長者というデータがあるのです。

「いやいやそれはアメリカの話でしょ、日本は違うでしょうよ」という声が聞こえてきそうなので、日本のデータを見ていきましょう。

国税調査によると日本の世帯数は約5200万、そのうち不動産込みで1億円以上の資産を持っている世帯は約270万、計算すると全世帯のうち約5%、すなわち20世帯に1世帯がミリオネア世帯なのです。

億万長者というのは夢でも何でもなく、あなたの隣にいるわけです。中学校のクラスを思い出してください。40人のクラスの中には、バカやボンクラがいっぱいいましたよね?それでもそのうち2人は億万長者になるって本当にすごい話です。私はとても勇気づけられました。

「いやいやそうは言っても1億円貯めるなんて無理だろう」という思いはまだ拭いきれないと思うので、具体的にどのような方針で生きていけば、1億円を目指せるのかを解説していきます。

まずお金持ちの方程式をここに記しておきましょう。

総資産 = 収入 − 支出 +( 資産 × 運用利回り )

これがお金持ちの方程式です。シンプルな手技ですね.

目標は左辺の総資産を1億円以上にすることです。「どうすればできるのかなぁ」とね右辺をじっくり眺めると、次の3つの方法しかないことが分かるのです。

  1. 収入を増やす。
  2. 支出を減らす。
  3. 資産を上手に運用する。

この3つを徹底的に行うことで、総資産1億円を超えていこうという話なんです。それぞれを簡単に説明していきましょう。

お金持ちの方程式その1【収入を増やす】

収入を増やすために、最も確実な方法は勤労です。真面目に働いて自分の年収を上げなさいということです。そして経済学ではお金を稼ぐ力を「人的資本」と言います。

あなた自身の労働力のことを「人的資本」といい、この「人的資本」を「労働市場」に投資することによって、あなたは富を得ていると考えるのです。

では具体的に年収を上げるには、どうしたらよいのでしょうか。その方法は次の2つしかありません。

  1. 人的資本への投資によって、運用利回りを上げる。
  2. 人的資本の運用期間をできるだけ長くする。

この1番目の「人的資本への投資によって運用利回りを上げる」は、よく自己啓発本に書かれている方法です。例えば資格を取ったり、コミュニケーション能力を磨いたり、南極のペンギンに氷を売る営業力を身に着ければ、あなたの年収は上がるでしょう。

要するに自己投資してスキルを身につけて、給料を上げようという話です。

そして2番目の「人的資本の運用期間をできるだけ長くする」というのは、長く働くことです。当たり前ですが長く働けば働くほど、労働市場から得られるとリターンは大きくなります。

「老後2000万問題」と言って、老後に2000万ないと生きていけない話が世間を騒がせましたが、この問題を解決する方法は簡単です。老後に2000万円必要なのは老後が長すぎるからなので、長く働いて老後を短くすればよいのです。

そんなバカなと思うかもしれませんが、世界的にはこの考え方はもはや常識となりつつあります。老後を孫の世話をして過ごすのが幸福という価値観は、すでにグローバルスタンダードでは時代遅れになっています。

できるだけ長く働き社会に貢献し続けることは、もはや当たり前の価値観なのです。おそらく「長く働くのが嫌だ、さっさと引退したいよ」という人は、自分のやっている仕事がとても嫌なのでしょう。

しかし好きなことをやってを金を稼いでいるのなら、ずっと働くことは苦ではありません。

ですから老後2000万円問題の解決策は、「できるだけ長く働く」、そして「できるだけ好きな仕事をする」ことです。そうすることで長く働くことができて、老後が短くなるからです。

お金持ちの方程式その2【支出を減らす】

支出を減らすために最も大事な考え方は、どんなときでも経済合理的に行動することです。

「外食をしない」「家賃を限界まで下げる」「無駄遣いをなくす」といった倹約も極めて重要ですが、これはどんな本にも書いてある当り前のことなので、ここでは詳しく取り上げません。

ここで強調したいのは「どんな時でも経済合理的に行動しろ」ということです。

経済合理的でない行動とは、例えば「宝くじを買うこと」です。宝くじは『愚か者に課せられた税金』と言われており、買った瞬間に損をすることが確定しているからです。

例えば、100円の宝くじを買うと平均していくらお金が戻ってくるのか、これを宝くじの期待値と呼んだりしますが、ジャンボ宝くじは49.66円しかありません。つまり100円の宝くじを買って期待されるリターンは、49.66円しかないのです。つまり宝くじを買った瞬間に、半分損をしていることです。

そしてこの半分は、販売経費を差し引いた上で地方自治体に分配されることになっています。それなのに当たることを夢見て宝くじを買い続ける、このような行動を経済不合理な行動と言えます。このような経済不合理な行動を続けると、お金は貯まりません。

さらに生命保険もぼったくり商品で、ちゃんと計算すると宝くじよりも割の悪いギャンブルです。

また本書では、かなり丁寧にマイホームが損だとが計算されていますが、ここれは結論だけを言います。

マイホームを買うことは、経済不合理な行動です。

世の中を見てください。「マイフォーム買いましょう!」と沢山の広告が打たれているじゃないですか?それはマイホームが売れれば得をする人間がいるからです。ですがマイホームを買う私たちが得をすることは、ほとんどありません。

この世の中には様々なトラップがあり、隙あらばあなたから金を巻き上げようとする人たちで溢れています。「絶対に得をする」と言って金融商品をすすめられたり、「絶対に家賃を払うより買った方がお得ですよ」と言ってマイホームを売りつけてくる人がいたりする世の中です。

そして彼らは言葉巧みに説得してきますから、騙されてしまう人がいても不思議ではありません。

ここで「経済合理的に行動しろというのは分かるが、どれが経済合理的なのか不合理なのかをね判断するのは分からない…」と言う人がいるかと思います。その問題を一発で解決する方法をお伝えしましょう。

あなたのところにやってくる美味しい話は全て無視する。

これだけです。これを守るだけであなたがボッタクリにあって無駄な支出を増やしてしまうことがなくなります。

ちょっと考えれば小学生でも分かる理屈なんですが、「この金融商品がいいんですよ」「この株を買えば儲かりますよ」と勧めてくる人は、なぜ自分で買わないであなたに勧めてくると思いますか?

それは儲からないからでございます。もし本当に儲かるならば、その人自身が買い占めるか、お金持ち達がすべて買い占めているはずなのです。だからそんな話が一般人である私たちのところにやってくるはずがないのです。

当たり前ですよね。例えば「この不動産が儲かる」なんて言われて、本当に儲かるならすでにお金持ちが全部買い占めてますよ。

つまり一般人である私たちのところにやってくる美味い話は、もうその時点で美味くないのです。美味い話ではないから「そんな話いらねーよ」とお金持ちが蹴ったものが、私たち一般人のところに回ってくるわけです。このことをぜひ覚えておいてください。

そして美味しそう話がやってきたら、このことを思い出してください。

あなたのところにやってくるうまそうな話は全て無視する。

これだけで騙されることが激減するでしょう。

第1章まとめ

  • 日本で億万長者になるのは簡単で、実際に20世帯に1世帯がミリオネア世帯である。
  • 具体的に億万長者になる方法は、お金持ちの方程式を理解することである。
  • お金持ちの方程式とは、総資産=収入 − 資産 +(資産×運用利回り)
  • この方程式からわかるお金持ちになる方法は以下の3つである。
    • 収入を増やす
      • 人的資本への投資によって運用利回りを上げる
      • 人的資本の運用期間をできるだけ長くする
    • 支出を減らす
      • 倹約する
      • 経済合理的に行動する(美味そう話は全て無視する)
    • 資産を上手に運用する

第2章 株式投資はギャンブル

この本で一番衝撃的な事実を申し上げます。

株式投資はギャンブルである。

もしかしたら皆さんの中に、株で一儲けしようと夢みている人がいるかもしれませんが、残念なことに株式投資はギャンブルなのです。

その理由を解説する前に、「将棋のプロはいるけど宝くじのプロがいないのはなぜか?」を考えてみましょう。

プロとは才能と努力によって、素人には到達できない高みにまで達した人のことです。ですから1ヶ月前に私が将棋を習い始めたとしても、私が羽生さんに勝つことは絶対にあり得ないわけです。なぜならプロと素人の力の差は、とてつもなく大きいからです。

それに対して宝くじにプロがいないのは、宝くじが確率のゲームだからです。結局誰が当たるかは運なのでそこに必勝法はなく、プロの居場所がないのです。

では話を戻しましょう。金融のプロとは一体何なのでしょうか?

個人投資家で紹介したいのが160万円を元手に株式投資を始めて、5年間で100億円を超える資産を築いた20代の個人投資家 bnf さんです。bnfさんは大学時代に株式をはじめ、株式投資に必要とされる知識には何の興味もなく、売買している会社が何をしているのかさえも知らなかったそうです。

それに対して金融の世界でプロと呼ばれるのは「ファンドマネージャー」であり、彼らは投資家からお金を預かって最先端の金融知識を駆使して運用しています。そして5年間にわたって年率10%で運用できれば神様なんて言われて、あっちこっちのマネー雑誌に登場するわけです。

それに対して株式投資の基礎知識が全くない bnf さんの運用利回りは、なんと年率900%です。確かに個人投資家とファンドマネージャーあれは条件が異なるとはいうものの、運用成績がこれほど桁違いだとどんな言い訳も通用しません。

さらに現代のファイナンス理論は、市場は因果律で動いているのではなく複雑系で動いているとする見方が有力となっています。

詳しいことは省きますが、複雑系のネットワークで起きることは原理的に予測不可能ですから、この考え方が正しいとすると経済予測の類はすべて無意味になります。

実際に過去の株価予想を検証してみると、高給取りの証券アナリストの成績はサルと変わりません。さらにファンドマネージャーが運用するファンドのパフォーマンスは公開されていて、実際にファンドマネージャーの予想が正しかったのかどうかを調べることは簡単であり、多くの経済学者がその結果を調べると結論はいつも同じです。

ファンドの平均的な投資成績は、何も考えずに市場平均に投資した場合よりも下回っているのです。

ちょっと難しいので分かりやすく説明すると、ファンドマネージャーは人のお金を預かって「この株が伸びるんや」と言って特定の株を買うわけです。

それに対して一個一個の株のどれが伸びるかは分からないから、アメリカ株の全体に投資してしまえという考え方もあるのです。そうするとアメリカの景気が伸びれば、アメリカの株全体に投資しているわけだから利益が出るわけです。よく「アメリカのインデックスファンドを買う」と言いますが、このことが「アメリカ全体に投資する」ということです。

一個一個の株のどれが伸びるかを分析しても分からないから、とりあえずアメリカ全体のインデックスファンドに突っ込んでおけと言って株を買ったときの成績よりも、なんとファンドマネージャーが分析して伸びそうな株を厳選して買ったときの成績の方が悪いのです。

そうなってくるととりあえず株のことなんか何も勉強せずに、アメリカ株全部を買っとけとなるでしょう。そして先ほども申し上げたように金融市場は複雑系であり予想はできないとする見方が最近強くなっていて、儲かる株を探すのは時間の無駄であると考えられています。

そこで橘玲さんも「世界の株式市場を丸ごと買うこと」をオススメされています。また2ちゃんねる開設者ひろゆきさんも「とりあえずアメリカのインデックスファンドに突っ込んでおけ」と発言されていました。

つまり株式投資は必勝法がない確率のゲーム、すなわちギャンブルなのです。

これは極めて単純明快な話だと思うのですが、不思議なことに同じようなことを言う人はほとんどいないそうです。どんな業界にも「それを言ったらおしまいだよ」ということがあります。誰もが薄々知っていますが、そういう不都合な真実をバラす人はいつの間にか排除されて消えていきます。

すなわち株式投資がギャンブルだという話が広まってしまうと、証券会社とかファンドマネージャーの存在価値がなくなってしまいます。

彼らは投資家から資金を預かってそのお金を運用して、その何%かを手数料としてもらうことで生計を立てております。もし株式投資がギャンブルだという事実が広まってしまったら、彼らにお金を預ける人はいなくなるでしょう。

つまり証券会社やファンドマネージャーにとって、株式投資がギャンブルだというのは、きわめて不都合な真実なのです。

第2章まとめ

株式投資はギャンブルである。なぜならプロと素人の投資成績は変わらないからだ。

とりあえず株を買いたいなら、世界全体に投資するだけでいい。

終わりに

今回は第1章で「億万長者になるのは簡単だ」、第2章で「株式投資はギャンブルである」ということを見てきました。

「億万長者になるのは簡単である」「株式投資はギャンブルである」「どんな時も経済合理的に行動すること」「あなたのところにやってくるうまい話は全て無視すること」など、本書では様々な発見がありました。

また老後問題についても言及されていて、「できるだけ長く働くことが老後問題を解決する方法だ」とも述べてきました。

最後に私から申し上げたいことは、馬鹿は搾取されてしまうということです。

世の中を見渡して金融商品とか年金とか投資とか税金とか、こういうお金がらみのものって制度が複雑で分かりにくいと思いませんか?

私の予想ですが、これはわざと難しく複雑に作られています。それは馬鹿を搾取するため、情報弱者を搾取するためです。たいていの人は「わかりにくいからもういいや」と言って、あまり深く検討しません。そうなるとちゃんと勉強している頭のいい人たちが得をすることになるのです。

だからわざと複雑に難しく、面倒くさく作ってあるわけです。

もっと身近な例でいうと、インターネットの契約とか携帯電話の契約も面倒ですよね。携帯電話なんかはプランもいっぱいあって、正直素人がどのプランが一番いいのかを検討するのは面倒くさいです。そこで店側から「これがおすすめのプランですよ」と勧められたプランに従って、たいていの人はそのプランにしてしまうでしょう。おそらくこれも難しくすることによって、店側に有利なプランを契約させたいのでしょう。

その他にもわざと難しく作られていることは沢山あります。「めんどくさいなぁ」と思ったときにそれを理解せずに放り出してしまえば、あなたは経済不合理な選択をして搾取されてしまうことになります。

人生においてお金はとても大事なものです。だから経済合理的に行動して搾取されないためにも、お金の勉強だけはしっかりやっておきましょう。

この記事がそのきっかけになれたら、とても嬉しいです。

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