斜陽の国の明るい人生設計!橘玲「日本人というリスク」を要約してみた

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はじめに

本書は我々日本人がどんなリスクを抱えているのか、そして日本人も日本社会もますますリスクに対して脆弱になっているのではないか、ということが書かれています。

日本社会を今大きな不安が被っているとすれば、おそらく最も大きな理由は「日本人の人生設計のリスク」が管理不能になってきたからです。

東日本大震災などの日本を襲った大規模な災害によって、戦後の日本の人生設計を支配してきた「4つの神話」が崩壊してしました。

その神話とは「不動産神話」「会社神話」「円神話」「国家神話」の4つで、人生の経済的な側面から言えば、私たちが東日本大震災後の時代を生きるということは、神話を奪われた世界を生きるということです。

しかし、私たちはいまだに神話なき時代の人生設計を見つけることができずに、朽ちかけてシミだらけの設計図にしがみついています。

そしてこの「役に立たない設計図」から生じる不安が、日本人の行動を規定しているんです。

皮肉なことにですよ私たちはリスクを避けようとして、そのことで逆にリスクを極大化させ、それが不安の源泉になっているんです。

東日本大震災は、これまで大切にしてきたものが暴力的に奪われ、破壊される光景を私達に見せつけました。

未来は不確実で、世界は限りなく残酷です。

明日は今日の延長ではなく、終わることなく続くはずの日常は不意に失われてしまう。

しかしそれでも私たちはそこに何らかの希望を見つけて生きていかなければならないのです。

日本人を支配してきた4つの神話の崩壊

筆者はまず、1997年の金融危機福島第一原発の事故や東日本大震災などによって、戦後の日本人の人生設計を支配してきた「4つの神話」が崩壊してしまったと指摘します。

その神話とは「不動産神話」「会社神話」「円神話」「国家神話」の4つで、人生の経済的な側面から言えば、私たちが東日本大震災後の時代すなわちポスト3.11を生きるということは「神話を奪われた世界を生きる」ということです。

ではかつて日本人の人生設計を支配していた「不動産神話」「会社神話」「円神話」「国家神話」とは一体何なのでしょうか。

不動産神話

一つ目の不動産神話について解説しましょう。

さて不動産神話とは館単に言うならば「持ち家は賃貸より徳だ」といったものです。

マイホームを購入することは、不動産投資と実は何ら変わりがありません。

筆者はこれまで経済合理的に考えれば、「賃貸よりもマイホームが得とは言えない」と繰り返し主張してきたそうです。

シンプルな話ですが、ほとんど理解されないそうです。

その一番の理由は、「賃貸ならば家賃を払わなければいけないが、持ち家だったら家賃はいらないから徳だ。」という意見があるためです。

果たしてこれは本当なのでしょうか。

「賃貸なら家賃を払わなければいけないが、持ち家なら家賃は要らないなら得だ」という人は、「所有する」というリスクを理解していません。

経済的には持ち家と賃貸の違いは「不動産投資のリスクを引き受けるかどうか」にあります。

持ち家の場合なら不動産価格が上がれば確かにその利益は自分のものになりますが、その一方で地価が下がったり、想定外の出来事で不動産が価値を失ってしまうと、その損失を全て個人で背負うことになります。

こうしたリスクは天変地異とか原発事故だけでなく、「マンションの中にでヤクザの事務所ができた」とか「カルト教団の施設が近所に作られた」といった私たちにはどうしようもない様々なトラブルが考えられます。

それに対して賃貸は、不動産投資のリスクをすべて家主に転嫁しているので、地震による液状化で住めなくなっても、契約を解除してさっさと別の場所に引っ越せばいいだけです。

このように「賃貸より持ち家が得」とされているのは「持ち家の方がリスクが高いから」なのです。

市場が効率的であれば、リスクが高ければ高いほどそこから得るリターンが大きくなるというのは当然です。

逆に言えば、高いリターンを期待するなら大きなリスクを取らなければいけません。

ところが「地価は永久に上がり続ける」という「不動産神話」が健在なときは、このリスクには誰も気づきませんでした。

一般に個人はリスク耐性が低いです。

そして機関投資家はリスクへの許容度が大きいので、リスクの高い投資は機関投資家に任せて、個人は保守的な資産運用を心がけたほうが賢明です。

しかし、なぜかマイホームでは不動産会社と金融機関が手を組んで、個人にリスクを押し付け大きな収益を上げています。

例えば三陸海岸沿いは、歴史的に巨大地震や大津波に何度も襲われた「ハイリスクな場所」です。

このような土地では、住宅や商業施設、農地や船舶を「個人」が保有していると、一度の自然災害で全ての資産を失ってしまいます。

しかしREATを使う機関投資家なら、地震や津波で資産価値が大きく毀損したとしても、その損失は多数の株主に分散され、被災者が倒壊したマイホームのために何十年もね住宅ローンを払い続けることに比べれば、その社会的な影響ははるかに軽微です。

高度経済成長の時代には「マイホームは最も安全な資産運用だ」と信じられてきました。

だがこの神話はバブル崩壊で大きく揺らぎ、3.11の地震や原発事故で、不動産を所有することのリスクが誰の目にも明らかになりました。

マイホームは銀行からお金を借りて購入するわけで、それはレバレッジをかけたハイリスクな不動産投資に他なりません。

では、なぜそれが最も安全で有利と信じられてきたのでしょうか。

その理由は日本の地価の推移を見れば一目瞭然です。

日本の地下は1980年代半ばまで、年率約15%で右肩上がりに上昇しており、名目 GDP を常に上回っていました。

年率15%というだけでも素晴らしいパフォーマンスですが、これに5倍のレバレッジをかければ、資本金に対する運用利回りは年率75%という驚異的なものになります。

ところが1980年代後半に地価は年率30%近い上昇を見せた後、バブル崩壊で大きく下落してしまいました。

2005年には最高値の4分の1となって、1980年代初めの水準まで戻ってしまいました。

日本の「不動産神話」は1990年に終わっており、そのためマイホームを買った人は損をし続けてきました。

地価が右肩上がりで上昇しているときは、確かに不動産を買えば儲かりますから「なぜマイホームなのか」を説明する必要はありませんでした。

ところがバブル崩壊で不動産投資のリスクが顕在化したことで、これまでの論理が使えなくなります。

そこで投資リスクの全く異なる持ち家と賃貸を比較して「家賃を払うぐらいなら買った方が得ですよ」というセールストークが登場したのです。

会社神話

会社神話とは「大きな会社に就職して、定年まで勤め上げる」というものです。

日本企業は大学や学部の偏差値によって新卒を採用しますから、激しい受験競争が起こるようになりました。

偏差値教育は批判の対象にされてきましたが、大金がかかっているため少しでも良い大学を目指そうとするのはきわめて合理的な行動です。

同様に序列制度は「新卒一括採用」でなければ人事のピラミッドを形成することができませんから、大学生にとっては就活こそが人生を決める最大のイベントとなり、「大学で何を学んだか」など誰も興味を持ちません。

これが日本の大学が教育機能を喪失した理由です。

この行動も終身雇用制における人的資本の大きさを考えれば極めて合理的ですから、新卒一括採用をやめない限り、あらゆる大学改革はすべて無意味です。

戦後の高度経済成長期以降、日本では「人的資本のすべてを会社に投資する」ということが人生設計における経済的な利益を最大化する最適な戦略でした。

人的資本とは「働いてお金を稼ぐ力」のことです。

かつて私たちは、働いてお金を稼ぐ力のすべてを会社に投資することによって、高い収入を得る方法が賢いとされてきました。

しかしバブル崩壊以降この成功の方程式は揺らぎ始めました。

サラリーマンの人生設計は、「会社は絶対に潰れない」という神話を前提にしているからです。

日本の大企業の多くは、今でも終身雇用と年功序列を採用しています。

これは日本の会社が、従業員を長期で働かせた方がいいと思っていると同時に、日本の労働者が同じ会社で定年まで働いた方が得だ、と考えているからです。

お互いの思惑が一致しているなら、日本の労働慣行は相互依存的でなかなか変わりません。

高度成長の時代日本の会社は、実務上の決定権を現場に任せることで従業員のやる気を促して、高品質の製品を安定して生産できる優れたシステムを構築しました。

メーカーは子会社や取引先を系列化し、独自仕様の製品開発を競いました。

テレビや冷蔵庫のような家電製品でも、メーカーごとに細かな仕様が違っているので部品を共有することはできません。

こうした排他的なシステムで大切なのは、「製造現場が培ってきた独自のノウハウ」や「会社内の人間関係や権力構造」についての「マニュアル化できない知識」です。

サラリーマンならば誰もが知っていると思いますが、現場を実質的に仕切っているスタッフを見分けることや、役員に稟議を出す前の部門間調整の手順などの企業特殊技能、すなわち「他の会社とは共有できない独自の知識や技能」が日本の会社ではとても重視されています。

人は誰でも自分に一番有利なように行動しますから、日本では経営者も従業員も独自仕様に最適な制度を作ろうとしてきたのです。

従業員はその会社でしか通用しない知識や技能を苦労して習得したのだから、「景気が悪いから」といって簡単にクビになったり給料をカットされるのは納得できません。

会社としても悪い評判が立つと優秀な人材が集まりませんから、年齢に応じた昇給と終身雇用を約束して社員を安心させようとします。

その見返りとして担保を要求します。この担保が「若い時の低賃金労働」と「多額の退職金」です。

日本の会社では、従業員は定年前できっちり働かないと、正当な報酬を全額受け取れないシステムになっています。

サラリーマンが真面目なのは日本の気質ではなくて、仕事をさぼって解雇された時に失うものがあまりにも大きいからなのです。

しかし誰もが気づいているように、日本の労働環境に今大きな変化が生じています。

1つはサラリーマンの変化で、各社が相次いで大規模なリストラに踏み切ったことで実数が減ったばかりか、ボーナスや社宅などの福利厚生の廃止、サービス残業に代表される無給労働の常態化と実質賃金が大きく低下してしまったのです。

もう1つの変化が、「ベンチャー企業の台頭」と「外資系企業の進出」です。

彼らがグローバルスタンダードの雇用慣行を持ち込んだことで、専門的のを持つ一部のサラリーマンにこれまでなかった転職のチャンスが生まれたのです。

日本企業はそもそも中途採用を受け入れませんし、仮に入社できたとしても年功序列のキャリアラインから外れたところで「ゼロ」から再出発しなければなりません。

そうなると何らかの理由で会社を離れることになった有能な人物は、自分の知識や機能を市場価格で評価してくれるベンチャーや外資系を選ぶほかありません。

このようにしてMBAを取得して、外資系企業やベンチャー企業に就職した後、コンサルタントやファンドマネージャーとして独立したり、起業を目指したりするのが90年代以降の転職キャリアのサクセスストーリーとなりました。

一部のエリートサラリーマンは「転職すればもっと高い給料をもらえるはずだ」と考えるようになったのです。

ところで平均的なサラリーマンの生涯年収は3億円と言われていますが、社宅などの福利厚生や企業年金を加えると企業が支払うコストは一人5億円とも言われます。

しかしこれを聞いて「俺はそんなにもらってない」と不思議に思う人がほとんどでしょう。

その理由は、これが「トータルの収入」だからなのです。

日本の所得税率は世界的に見ても低いと言われていますが、その代わり年金や健康保険などの社会保険量が毎年のように引き上げられており、これが手取り収入を圧迫します。

これは日本の社会保険制度が破綻状態だからで、国民年金や国民健康保険(とりわけ後期高齢者医療保険)の巨額の赤字を補うために、給料から源泉徴収できるサラリーマに負担を転嫁するしかないからです。

厚生年金や総合健康保険は、保険料を労使で折半することになっているんですが、会社が支払う保険料も人件費の一部ですから、それを含めて計算すると平均的なサラリーマンの総収入の25%が税社会保険料に消えていくことになります。

生涯年収3億円のうち7000万円以上が日本国に徴収されるんですから、これは人生最大の買い物といわれるマイホームを上回る出費です。

これを差し引いた額が手取りの所得で、退職金を除けば約40年間で2億円弱年平均500万円になります。

サラリーマンの人生というのは、40代までひたすら会社に貯金して50代から回収を始め、満額の退職金をもらってすべての帳尻が合うようにできているのです。

20代や30代では低賃金長時間労働が当たり前ですから、系経済的な余裕なんて生まれるはずがありません。

10年〜20年先にならなければ、サラリーマン人生の本当の良さはわからないのです。

サラリーマンが競って住宅ローンを組んでマイホームを買ったのは、若いうちにまとまった金融資本が作れない以上、それ以外に効率的な資産運用方法がなかったからです。

サラリーマンにとって、マイホームこそが人生設計における最強戦略でした。

定年までに住宅ローンを完済し、退職金をほぼ無税で受け取り、その後は年金で悠々自適の暮らしをする。

確かに計画通りならこれほど素晴らしい人生はありません。

しかし、この戦略には一つ重大な問題があります。

サラリーマンとは、すべての人的資本を一つの会社に投資することですから、これは卵をひとつのカゴに盛るのと同じことなのです。

誰もがすぐに気づくように、この投資が成功するには「カゴが壊れないこと」が絶対条件になります。

ところがこの10年で会社が倒産するのは珍しいことではなく、大手企業でも頻繁にリストラが行われるようになりました。

こうして突然「サラリーマンでいることのリスク」が顕在化してきたのです。

円神話

円神話とは、「日本人なら円資産を保有するのが安全だ」というものです。

この円神話については結論だけを言いますと、日本に住んでいる以上好む好まざるに限らず私たちの資産は円に縛り付けられており、不動産のみならず年金や生命保険などを加えても、円資産より外貨資産を多く持っている人はほとんどいないでしょう。

しかしそれでは「円資産が価値を失うリスク」に備えることができていません。

「卵を一つのカゴに盛るな」という格言に従うならば円資産だけではなく、外貨にも資産を分散させておくべきなのです。

国家神話

国家神話とは、「国家が破産することなどありえない」というものです。

未来は誰も予測できませんが、例外として確実に予想できることがあります。

それが「人口動態」です。

日本のような先進国では、年齢ごとの死亡率は統計的にほぼ正確に判明していて、それは長期にわたって安定しています。

今の0歳児が平均寿命を迎える80数年後まで、人口構成がどのように変化していくのかは予測可能です。

私たちに訪れる確実な未来は、「人口総数の減少」「高齢化の進展」「少子化の進展」の3つです。

人口動態の変化によって、市場の縮小よりもっと確実に予測できる未来があります。

それが公的年金や医療介護保険などの社会保障の破綻です。

年金制度というのは、政府が65歳以上の高齢者に毎年お金を支払うことを約束しているわけであり、高齢者の人口がわかれば年金支給額の推移は簡単に計算できます。

日本の年金は現役世代の負担で高齢者を支える方式なので、現役世代の人数が減少すれば必然的に保険料収入も減っていきます。

経済成長率や年金資産の運用利回りなどの変数があるにしても、このままでは日本の年金制度が破綻必須なのは明らかです。

それに加えて年齢が上がるに従って、医療費や介護保険の利用が増えていきます。

年齢ごとの平均的な支出も統計的に分かっているので、これによって将来の医療介護保険の負担額も計算できます。

2020年には約800万人の団塊の世代が70歳を超えて、本格的に医療や介護サービスを利用し始めるようになり、この高齢者爆発によって医療・介護保険制度の崩壊は避けられません。

4つの神話崩壊後の日本

戦後の日本人の人生設計は、4つの神話の上に築かれていたことがお分かりいただけたと思います。

不動産は上がり続ける、会社は潰れない、円は最も安全な資産、国家が破綻することなどありえない、という4つの神話を前提としたポートフォリオは、戦後の経済成長に最適化した人生設計でした。

しかしいったんリスクが顕在化すれば、それは個人の人生に大きな災いをもたらすことになります。

2000年代以降の日本が急速に閉塞感を強めていった理由の一つは、多くの人がこの経済的なリスクに気付き始めたからです。

しかし神話なき時代の新しい人生設計を見つけ出すことができず、古臭い設計図にしがみつくしかありませんでした。

そのことがますますリスクを高め、社会を閉塞させていったのです。

リスクを回避し安定した人生を送るために、私たちは偏差値の高い大学に入って、大きな会社に就職することを目指し、住宅ローンを組んでマイホームを買い、株や外貨には手を出さず、ひたすら円をため込み、老後の生活は国に頼ることを選んできたわけです。

しかし皮肉なことにこうしたリスクを避ける選択が、すべて今ではリスクを極大化することになってしまいました。

この事態は97年の金融危機、あるいは90年のバブル崩壊から始まっていたのですが、多くの日本神は不都合な真実に顔をそむけ、3.11によって初めて自らのリスクを目の前に突きつけられたのです。

神話を奪われた世界での人生設計

神話が崩壊した後の世界を、私たちはどのように生きていけば良いのかということについて解説していきたいと思います。

最初に結論を言うと、神話を奪われた世界での人生設計で極めて大事なのが、次の2つです。

1つ目が「伽藍からバザールへ人的資本のリスクを分散する」

2つ目が「世界市場投資のすすめ、金融資本を分散する」です。

伽藍からバザールへ、人的資本のリスクを分散する

日本とアメリカの労働者の比較調査が明らかにした重要な事実があり、その事実とは「愛社精神も仕事への貢献度もアメリカ労働者の方がずっと高い」、つまり日本のサラリーマンは昔から会社が大嫌いで、会社を憎んでいるという事実です。

なぜサラリーマンは会社が嫌いなのでしょうか。その理由を知るためには伽藍の世界を覗いてみる必要があります。

伽藍というのは、人の集団が物理的心理的な空間に閉じ込められている状態で、学校のような外部から遮断された世界のことです。

それに対してバザールとは開かれた空間で、店を出すのも畳むのも自由です。

伽藍とバザールでは「評判」をめぐって、まったく異なるゲームが行われています。

バザールは参加するのも出て行くのも本人の勝手ですから、相手に悪い評判を押し付けようとしても何の効果もありません。

悪評ばかりの業者はさっさと廃業して、別の場所や別の名前で商売を再開すればいいだけだからです。

その一方でバザールでは、一旦退出すると悪評と同様に良い評判もゼロにリセットされてしまいます。

良い評判というのは「立派な資産」ですから、それをたくさん持っている業者は同じ場所に留まってさらに良い評判を増やそうと考えるでしょう。

顧客は評判の良い業者から商品やサービスを購入しようとしますから、これが一番合理的な戦略なのです。

例えばネットオークションでは、評価の高い人から物を買いたいですよね?

ネットオークションでは、良い評判というのは資産なのです。

このようにバザールでは、できるだけ目立ってたくさんの良い評判の獲得を目指すこととなり、これがポジティブゲームです。

これに対して閉鎖的な伽藍空間では、押し付けられた悪評はずっとついて回ります。

このゲームの典型が「学校のいじめ」で、一旦悪評の標的にされるといじめられる日々が卒業まで続くことになりますから、できるだけ目立たず悪評を避けることが生き延びる最適戦略になり、これをネガティブゲームと呼びます。

先ほど日本人というのは会社を憎んでいると言いました。

それは日本の終身雇用制度に代表されるように、会社というのが一度入ったら逃げ出すのが難しい「伽藍の世界」だからなのです。

閉鎖的な世界では、一度ついた悪い評判は二度と消えないのだから、誰もが目立たずに失敗しないようにするというネガティブゲームを行っているのです。

しかしもはや会社神話は崩壊し、私たちの寿命が延び、会社の終身雇用制度も崩壊に向かいつつあるのだから、1つの会社で目立たずにやっていくというネガティブゲームをしているだけでは生き残れないのは明らかです。

だから伽藍を捨ててバザールへと私たちは向かわなければなりません。

それは人的資本のリスクを分散するという意味でもあります。

勤めている会社だけに人的資本を投資するのではなく、誰でも商売ができて一度ついた悪評はすぐにリセットできる「バザール」にも私たちは人的資本を投資しなければいけないのです。

バザールでは挑戦して失敗しても、悪い評判はいくらでもリセットできるんだから、チャレンジして失敗をしても何の問題もありません。

できるだけ多くの良い評価を集めるポジティブゲームが行われている「バザール」に私たちは向かって行くべきなのです。

なぜなら閉鎖的な伽藍だらけの日本では、そこら中にネガティブゲームに習熟した人がいます。

だから彼らと同じゲームで競争するのは、最悪の戦略になります。

さらにサラリーマンのリスクは、会社神話の崩壊により今後も高まっていくのですから、伽藍の世界しか知らない人たちはポジティブゲームで全く勝てずに苦労することでしょう。

それなら大した競争相手のいないバザールで勝負した方が、遥かに勝率は上がります。

結局のところ、会社神話が崩壊した今、1つの会社でネガティブゲームをやっていてもその会社が潰れてしまえばどうしようもないのです。

しかし多くの人は会社神話が崩壊しているのにも関わらず、1つの会社でずっとネガティブゲームをやっていて、ポジティブゲームというものをやったことがないのです。

これからはポジティブゲームをして、バザールの世界で生きていかなければ生き残れないのです。

世界の潮流はポジティブゲームへと動いています。

そして今の世界では、このバザールで戦うポジティブ戦略がとてもやりやすい環境にあります。

なぜなら昔は一部の特権階級しか使えなかったプラットフォームが、すべての人に解放されたためです。

昔はテレビ CM を流そうとすると、何千万円もかかりました。

しかし今なら google のサービス使えば、数万円から世界中に広告を出せます。

昔はCD を出せるのは限られたミュージシャンだけでしたが、動画配信サイトならアマチュアでも自分の歌を世界中のファンに聞いてもらえます。

インターネットが普及するまでは、オリジナル商品を作ってもそれを流通に乗せるのがとても難しかったのですが、今ではアマゾンの倉庫に商品を預けブログやツイッターで商品の説明をして 、google で宣伝すればいいのです。

つまりネットの世界は、どんどんバザール化しているのです。

これからもこの流れは加速していきます。

つまり終身雇用などという日本にしかない制度に依存して、1つの会社で目立たずにずっとやっていくネガティブゲームをやっている人たちは、落ちこぼれていきます。

なぜならもはや会社神話が崩壊しているからであり、世界の流れと逆行しているようではどう考えても生き残っていくことはできないでしょう。

そしてポジティブゲームをしている最も分かりやすい例が、ユーチューバーやインスタグラムはといったインフルエンサーです。

彼らは、良い評判を集めるポジティブゲームをすることによってお金を稼いでます。

しかし何もユーチューバーになれと言っている訳ではありません。

あなたが今サラリーマンであるなら、良い評判を集めるポジティブゲームに参加しなければいけないと言っているのです。

SNSでフォロワーを獲得するとか、会社で評判を獲得して別の会社にヘッドハンティングされるとか、フリーランスとして評判をたて仕事をもらうとか、これからはポジティブゲームをして良い評判を獲得しないと生き残れない時代なのです。

世界市場投資のすすめ、金融資本を分散する

先ほど解説したように、円神話が崩壊した現代において、円資産だけを持つのは危険です。

そのため世界市場投資をし、金融資本を分散してください。

リスク分散された金融資本のポートフォリオを持って欲しいということです。

「そう言われても世界市場投資なんて難しそうだ」と思われるかもしれません。

しかし世界最高の投資家ウォーレンバフェットが、「これ以上素晴らしい投資はない」と断言している投資があります。

それはインデックス投資です。

結論だけを言うなら、黙って海外のインデックス投資にも金融資本を分散しておけということです。

もちろん投資の知識がある人は、他の海外の金融商品を検討してもいいかもしれません。

しかし投資についてあまり詳しくないなら、単純にインデックスファンドを買うという最強の解決策があるので、黙ってそれを実行すればいいのです。

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