お金から自由になる

ミニマリストになると生活費がかからなくなり、お金が余るようになります。
貯金をしたって良いですし、自分の健康に投資したっていいんです。
そのお金をどうするかは人それぞれでしょうが、著者の場合は手元にお金を眠らせていても仕方がないと思い、人にお金を回すことにしたそうです。
それはなぜか?
その答えは、自分にお金を使っても満たされたくなったからです。
著者も一時期はミニマリストとして生活する上で、余ったお金を自分への投資に使っていたそうです。
例えば高くても本当に欲しいものを買うとか、読みたい本はすぐに買う、旅にお金を使う、健康食品を買う、仕事道具のパソコンやカメラを買う。すべては自分の成長につなげるためでした。
しかし今はもう自分にお金を使ってもそこまで幸福に感じず、本当に欲しいものはほとんど手に入れてしまったため、「この人にお金を使ってほしい!」と思える人にお金を回そうと思ったそうです。
1人の人間が無駄にお金を溜め込むより、そのほうがお金も有意義に生きるだろうと。
貯金しすぎない

著者にはさぞかし蓄えがあるんだろうと、皆さん想像されていると思います。
そんな著者は、貯金額を60万円と決めているそうです。
60万円の根拠は、著者が書籍より得た知識を元にした『必要最小限かかる生活費の1年分』です。
少ないお金で生活できるようになると、将来に不安を持たなくなります。
何か起きたらその時に考えればいいですし、結婚・出産・入院など予想外のことが起きても、1年分のセーフティネットがあれば十分に対応可能であると著者は言います。
もちろんで家族の有無やライフスタイルなどは人によって違いますから、額も人それぞれでしょう。
この額を計算する上でも、自分の毎月の最小限の生活費を把握していることが大前提となります。
著者が最小限以上の貯金をしない理由として、未来のために今をないがしろにすることを良く思っていないという理由があります。
未来は今の積み重ねでしかないのだから、今を懸命に生きることが未来への保険となるでしょうに、人間は溜め込むだけ溜め込んで、手放すのが怖くなる生き物です。
意味もなく貯金して、通帳を眺めるのが生きがいになるような状況は、著者にとっては最悪な状況です。
お金をどんどん人に回すことについて、著者が投資ではなく『まわす』と表現しているのは、リターンを期待していないからです。
「なくなってもいい」と割り切っていて、「もし帰ってきたらラッキー」というぐらいの感覚だそうです。
お金が余り自分への投資に飽きたら、人にお金を『まわす』ことで、自分も相手も満たすことができます。
人間関係から自由になる

さてミニマリストしぶさんの人間関係について、もうを少し見ていきましょう。
彼は「利益をもたらす人間としか付き合っていない」と断言しています。
ここでいう利益とは、『気遣いができる』『話が面白い』『尊敬できる』『なんか居心地がいい』といったことです。
損失は、『話がつまらない』とか『配慮ができない』『見ていてムカつく』などで、こういった損得をトータルして利益が上回る人と付き合うようにしているそうです。
例えば子育ては良い例でしょう。
手間もお金もかかるけれど、それ以上に子どもの笑顔で幸せになれるという得が上回るのであれば、子どもを育てればよいのです。
私たちも嫌な一面すらを許せる人と付き合いたいと思うし、口は悪いけれど言っていることは尊敬できる人とは一緒にいたいと思うでしょう。
そういう人との関係は貴重です。物も人も、すべては利害関係で付き合う人を選び抜きましょう。
自分のためにも、そして相手のためにもです。
人間関係は広く浅く

そして付き合う人をしっかりと限定している著者ですが、人間関係は浅く広くとしているそうです。
自立とは、依存先を増やすこと。希望は、絶望を分かち合うこと。
これは著者の好きな考え方だそうで、脳性まひの障害を持つ小児科医である熊谷晋一郎先生の言葉です。
人間はものであったり人あったり、様々なものに依存しないと生きていけない。
だから依存先を増やして一つ一つへの依存度を浅くすることで、なんにも依存していないかのように錯覚できる。
この状態が自立なのである。
学校の同級生とか仕事の関係者、ネットや sns の友達、趣味のゲームでつながった仲間、シェアハウスで知り合ったの仲間。
例えば著者とつながりのあるこれらの人々は、すべて著者の依存先です。
広く浅くを好まない人もいるかと思いますが、人間関係の選択肢は多ければ多いほど良いでしょう。
なぜかというと、依存先が少ないと関係が閉鎖的になり、支配的になりやすくになります。
ドメスティックバイオレンスはその典型的な例でしょう。
親と子、配偶者間、その関係にしがみつけないために、暴力を振られ罵声を浴びても関係を断ち切るという選択肢をなかなかとることができない一方で、依存先が多い状態だと一つ一つのつながりが浅くて済むので、過剰に依存する必要がなくなるんです。
例えどこかがダメになったって、別の依存先に頼ればいいんです。
人間関係は関係性をコントロールするのが難しいですよね。
しかし依存先が多いと、付き合う人を選ぶことができます。
嫌いな人と無理して付き合う必要はありません。
スマホは大型サイズを選ぶの話で触れた通り、これは何を最小化するかという問題なんです。
大きなスマホを持つのは目の疲れを最小化するため、人間関係を増やすのはリスクを最小化するためです。
リアルの知り合いでも sns などを通して知り合った友達でも、ゆるく良い関係を継続させることはいつか自分を救ってくれるセーフティネットを増やすことにつながります。
ちなみにこれは、人間関係に限った話ではありません。
収入源・スキル・居場所など、形のないものは増やせば増やすほど、様々なリスクに対して適切な処置を取れる様になるんです。
投資の世界には、『資産を守るだら分散投資。攻めるなら集中投資』というセオリーがありますが、人間関係においては攻めるより守りです。
『依存先を増やすことが、依存しないための唯一の道である』ということを、私たちは覚えておくべきだと思います。
まとめ
- ミニマリストになって、余ったお金の使い道に迷うことがあれば、人にお金をまわすと自分も相手も満たすことができる。
- 物も人もすべては利害関係。自分のためにも相手のためにも付き合う人を選び抜きましょう。
- 人間関係そして収入源・スキル・居場所などにおいても、依存先を増やすことが依存しないための唯一の道である。
おわりに
この本に書かれているのは『著者にとってのミニマリズム』であり、あなたにとって最適なものではないかもしれません。
内容をすべて鵜呑みにせず、最終的にはあなたにとって最適な『あなた自身のミニマリズム』を確立しましょう。
あなたという存在を飾り立てる見栄や無駄なものを増やすこと、そんな余計な荷物はもういらないでしょう。
手ぶらで生きてみませんか?
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