はじめに
毎日少しの時間を使ってシンプルな努力をするだけで、理想を叶え、しかもそれを継続することができる。
すべては、毎朝の目覚めから始まる。
明日から、ささやかでシンプルなステップを実践することで、あなたが本当に理想とする人生を手に入れる人間に成長できる。
人生を変えるモーニングメソッド
今回はハル・エルロッドさんが書かれた『人生を変えるモーニングメソッド 朝時間が自分に革命を起こす』を解説します。
『自分の人生を、自らの手で良くしたい』『良い習慣を作りたい』『朝活をしているけどイマイチ効果を感じられない方』そんな方におすすめの本です。
この本の著者ハル・エルロッドさんは、人生で2度どん底を経験しています。
1つ目は交通事故、そして2つめは借金苦&うつ病だそうです。
まずは1つ目ですが、20歳の時に交通事故で6分間心肺停止となり、11か所を骨折、脳には修復できない損傷を受け、二度と歩けないという診断を受けました。
それにもかかわらず懸命なリハビリを経て再び歩けるようになり、強い意志の力で勤務先に復帰し、営業成績で社内記録を更新します。
続いて2つ目は、著者が独立しコーチング業で高収入になり、さらにベストセラーを出して絶好調だったにも関わらず、リーマンショックで借金を抱えてしまいます。
そのことがきっかけで、深刻なうつ状態になったそうです。
そんな中、人生の転機は「ストレスを感じたときは走るといい」という友人からのアドバイスでした。
著者はもともと走るのが嫌いだったのですが、「走るのと現状の人生と、どっちの方が嫌いなんだ!」と友人から問われ、嫌々ながらも走ることを決めたそうです。
友人からのアドバイス通り走り、あることに気づきモーニングメソッドを開発、人生が好転したそうです。
その結果、著者のストレスレベルは劇的に下がり、エネルギーが湧き、頭が冴え、集中力が増し、心から楽しくなり、意欲が出てアイディアが生まれ、うつ状態が消えていったと本書では書かれています。
この経験を執筆しベストセラーとなった本書は社会現象となり、国内外で高い評価を受け、現在では20カ国で翻訳・出版されています。
著者は交通事故や借金、うつ病などを経験しました。しかし本書に書かれている『モーニングメソッド』により見事復活、本書は実体験をもとに書かれていることもあり、説得力のある内容になっています。
この記事では
- 朝にモーニングメソッドを行う
- 6つの習慣
- 6分の短縮版モーニングメソッド
という順番で解説していきますので、ぜひお楽しみください
朝にモーニングメソッドを行う

本書で紹介されるモーニングメソッドとは、朝の60分間を使って『6つの習慣』を行うことです。
6つの習慣とは
- 沈黙 5分
- アファメーション 5分
- イメージング 5分
- 日記 5分
- 読書 20分
- 運動 20分
このトータル60分です。
順番や時間は、自分で自由に変えて大丈夫です。
モーニングメソッドを毎朝を行うと、なぜ人生が変わるのか?
その理由は、自分を成長させることに時間を割くからです。
残念なことに、およそ95%の人々は妥協して生きています。
アメリカの社会保障局が、働き始めから40年間でどのような軌跡をたどるのか100人の追跡調査を行いました。
その結果は以下のとおりです。
- 裕福な人 1人
- 経済的に安定している人 4人
- 何らかの事情で仕方なく働き続けている人 5人
- 死亡した人 35人
- 経済的に困難で友人・家族・親戚や政府のお世話になっている人 54人
つまり金銭面において自由を手に入れたのは、全体のわずか5%にすぎません。
言い換えれば95%の人は、望み通りの人生を送れておらず、何らかの妥協や苦労を強いられる日々を暮らしているといえます。
ではなぜ人生は思い通りにいかず、人並みなものになってしまうのでしょうか。
著者はその原因を7つ上げています。
モーニングメソッドとは、7つの原因とそこから導き出される人生の結果を、良い方向に変えようとする取り組みです。
では7つの原因を説明します。
- バックミラー症候群
- 目的意識の欠如
- 物事のつながりの無視
- 責任感の欠如
- 平凡な友人の輪
- 人間としての成長の欠如
- 緊急性の欠如
この7つをそれぞれ解説していきます。
バックミラー症候群
人間は無意識のうちに、バックミラーで過去を見ているそうです。
昔の自分の姿を今の姿だと思い込み、それを基準に据えて自分の限界を決めてしまいます。
朝の起床時間から人生の目標設定に至るまで、あらゆる選択を過去の経験に照らし合わせて制限しようとします。
目的意識の欠如
あなたの人生の目的は何ですか?
多くの人は、人生の目的を明確に言葉にすることができません。
毎朝起きて人生の目的の達成に向けて頑張るための『確固たる動機』が明言できないのです。
『とりあえずの1日を送り生き延びる』これ以上の高い目的を掲げません。
これではいけませんよね。その目的は探し当てるものではなく、自分が望むままに決めていいと著者は言います。
人生の目的を考え、文字にしてみる。
そして毎日、目に入るところに貼っておく。
この作業はモーニングメソッドの時間に行うこともできます。
物事のつながりを無視する
自分の行動は『特定の時間や状況だけに影響を与える』と思いがちです。
しかしそれは誤っていると著者は言います。
例えば『運動を1日サボる』『プロジェクトを先延ばしにする』『ファストフードを夜に食べる』
人生は過去から現在、現在から未来へとつながっています。
『運動を1日サボる』『プロジェクトを先延ばしにする』『ファストフード夜に食べる』といったことを大したことない、明日挽回すればいいと考えるのは大きな間違いです。
あなたが思うこと、選ぶこと、行動することが、あなたの今後の姿を作っています。
毎回、目的を達成するための道ではなく楽な道を選んでいれば、それがあなたのアイデンティティや人柄になっていきます。
自分の選択するあらゆる行動が、未来の自分の姿に影響を与えます。
今日できることは明日もできる。今日できないことは明日もできない。
毎日は繰り返し循環する。これは循環型思考という考え方です。
責任感の欠如
成功を望むのであればコーチングやメンター、そして親友や家族に協力してもらうことが大切だと著者は言います。
統計データによると、本を読んだ人の95%は内容を実践していないそうです。
その理由は、誰にも責任を問われないからです。
そこでパートナーを作ります。誰かとペアを組むことで責任が生まれ、行動することができます。
友人でも同僚でも家族でもいいので、モーニングメソッドをシェアしましょう。
平凡な友人の輪に入っている
ある研究によると、人間は長く時間を共にしている5人の人を平均した人生になっていくことがわかっています。
つまり誰と一緒に過ごすかが、あなたの未来の姿と人生のクオリティを決定づける重要な要素になります。
怠惰でメンタルが弱く、言い訳が多い人に囲まれていると、あなたもだんだんそうなってしまいます。
友人がみんな成功者で年収が10万ドル以上なら、例え輪に入ったばかりのあなたの年収低くとも、自動的に彼らの思考レベルまで引き上げられ、彼らを成功に導いた習慣を意識して実践するようになるといいます。
あなたにプラスの刺激を与えてくれない人と付き合う時間は、減らすべきです。
知り合いの社長も、「身近な5人の年収を平均すると自分の年収になる」と言っていました。
どんな友人と付き合うかは重要です。
人間としての成長の欠如
ほとんどの人が、日々の生活の中に『人間として成長するための時間』を設けていないと著者は言います。
これは「成功したい」と言いながら、それを引き寄せ手に入れ、維持するための努力をしていないことになります。
この作業は、モーニングメソッドの時間に行うこともできます。
緊急性の欠如
人間は『いつか』の生き物です。
人生についても「そのうちなんとかなる」と考えます。
いつかやろうという考え方をしていると、人生が停滞してしまいます。
人生で最も悲しいことは、『本当はもっと何かできたのに…』と後悔しながら生きることです。
死ぬときに後悔しても遅いのです。
人生で最も重要なのは『今』です。
今日、行うことが自分の将来の姿を決定づけます。今の選択が今後の人生を決めるという考え方です。
今日からモーニングメソッドをやっていきましょう!
以上、人生が思い通りにいかず人並みなものになってしまう原因7つを解説しました。
おおよそ日々の生活だけで精一杯ですよね。
日常にすべての時間をとられてしまい、本当は最重要である人生、つまり生き方にまで手が回らないことが多いかと思います。
では今できることは何か?
毎朝これから紹介するモーニングメソッド『6つの習慣』を毎日実践することで、身体・知性・感情・精神を確実に向上させましょう!
そのために大切なことは『今日から始めること』です。
今日を境に、いつもと違う行動を始める決意をしましょう。
平凡に生きるということは、これまでの自分のしてきたことと同じものを選び続けることです。
人生を変えたいなら、今日いつもと違う行動をすることが必要です。
早起きしたくなる5つのステップ
では朝にモーニングメソッドをする時間をどうやって作るのか?
そんな疑問がわいてきますよね。「朝が弱いから続かないよ」という声が聞こえてきそうです。
これに対しても著者は『早く起きたくなるようなステップ』を説明しています。
朝の目覚めに対するアプローチを変えるだけで、あらゆることが変化するといいます。
- step 1 前夜のうちに意思を固める
- step 2 アラームをベッドから遠ざける
- step 3 朝起きたら歯を磨く
- step 4 コップ1杯の水を飲む
- step 5 運動できる服に着替える
まずは step 1 前夜のうちに意志を固めます。
朝起きて最初に考えることは、大抵『寝る前最後に考えたのと同じ内容』だそうです。
夜寝る前、前向きに考えて眠ると、朝起きた時も前向きに行動できます。
続いてstep2 アラーム時計をベッドから遠ざける。
これにより嫌でもアラームを止めるためにベッドから起き上がることになり、体が動きます。
動くことでエネルギーが生み出され、目覚める助けになります。
step3 歯を磨く。step4 コップ1杯の水を飲む。
眠っている間に、身体は軽い水分不足になっています。水分補給は疲れを取るときにも重要です。
また朝イチは口の中がキレイとはいえないので、朝イチで歯を磨くことは様々なメリットがあります。
続いてstep5 運動ができる服に着替える。
運動をすることで精神・肉体・感情の状態が高まり、その日1日勝ちにいくことができます。
以上5つのステップを実践することで、早起きしたくなります。
6つの習慣

6つの習慣とは以下の6つで、それぞれ掘り下げていきます
- 沈黙 5分
- アファメーション 5分
- イメージング 5分
- 日記 5分
- 読書 20分
- 運動 20分
沈黙
朝はほとんどの人が慌ただしいですよね。沈黙にはストレスを軽減し、自意識を高めて、頭をクリアにする効果があります。
著者は、沈黙、祈り、振り返り、深呼吸、感謝、これらの内のどれか1つを行う朝もあれば、いくつか選んで組み合わせるときもあるそうです。
いずれの行動も心と体をリラックスさせ、精神を沈め、今に集中し心を開くものです。
そして次に続く5つの習慣の効果を、受け入れやすくしてくれます。
アファメーション
アファメーションとは、前向きな言葉を口に出し、それを自分の耳で聴いて、潜在意識に働きかけることを言います。
成功者には前向き思考やアファメーションの活用をしている人が多いですよね。
御存知ナポレオン・ヒルの伝説的ベストセラー『思考は現実化する』でも、アファメーションの話はよく出てきます。
人は誰でも、ほぼノンストップで頭の中で考え事をしています。
そのほとんどは無意識のつぶやきであり、意識的に選んだ言葉ではありません。
私たちは無意識のうちに、過去の体験をいいことも悪いことも繰り返し再生しています。
これは誰もが当たり前に行っている、脳の『学習』と『習得』です。
これらを無意識ではなく意識的に前向きな思考にして、脳に良い学習と習得を与えます。
このアファメーションによって、健康・幸福・富・人間関係など、あらゆる側面に劇的な影響力を持ちます。
アフォメーションを上手に活用するために、自分が達成したい人生の目的に合わせたアファメーションを作成して書き出し、毎日繰り返し唱えます。
このように口に出し、それを自分の耳で聞くことで、潜在意識に刷り込むことができます。
イメージング
イメージングとは、達成したいことや手に入れたいものを具体的に頭の中でイメージし、そのために必要な行動を心の中でリハーサルすることです。
イメージングを実践している成功者も多いですよね。
例えばプロゴルファーのタイガー・ウッズは、ショットを打つ前に必ず完璧なスイングをイメージしているそうです。
このときイメージは鮮やかで、映像がカラーになればなるほど良いです。
運動
少しでも体を動かせばエネルギーが上がり、健康が増進し、自信が出てきて感情が安定し、思考力と集中力が増します。
そして朝に運動することがとても大切です。
なぜかというと、多くの人が『忙しい』『疲れている』を言い訳にして、運動をしないからです。
ですのでまだ自分が疲れていない朝、1日が忙しくなる前の朝に運動をしてしまうことが大切です。
朝起きた直後に運動することを、毎日の習慣にしてみましょう。
私の知り合いの社長は、朝起きて任天堂スイッチのフィットボクシングをやっています。
読書
読書は自分を変えるための近道です。その道の専門家から学ぶことができます。
過去に先人たちが学んだことを、本を読むことで学ぶことができます。
読書については1日10ページずつでも読めば、1年で3650ページになります。
これは1冊200ページの本だと、年間で18冊読むことになります。
1日10ページという小さな積み重ねでも、振り返ってみると大きな積み重ねになっていると思うので、少しずつでも積み上げていくと状況は好転していくと思います。
日記
朝に日記を書きましょう。理由は運動と同様で、夜に日記を書こうとすると「仕事で疲れていて…」という言い訳により、日記を書くことが続きにくいからです。
日記はたまに読み返すことで自分の成長を実感でき、成長が加速します。
例えば大晦日なんかに1年分読み返すなど、一定期間をおいてから読み返すことが大切です。しょっちゅう読み返す必要ありません。
日記をつけるメリットは、以下のとおりです。
- 思考を文字するプロセスを通じて、深く考えることができる。
- 日記を書くことで、アイディアが膨らむ。
- 大晦日などに日記を振り返り、教訓や自分の進捗状況などが確認できる。
日記の内容としては『感謝していること』『達成できたこと』『今後改善したい項目の整理』『改善するための具体的な行動の計画』などで、自分の負担に感じない長さで大丈夫です。
というわけで以上6つの習慣、『沈黙』『アファメーション』『イメージング』『運動』『読書』『日記』でした。
順番は自分の好みで変えて大丈夫です。
例えば一番に運動することで血液のめぐりを良くして目を覚ましたいと考える人もいれば、汗をかいた状態でモーニングメソッドをやりたくない人もいるかと思います。
または日記をつけながら、イメージングも一緒に行っている方もいます。
自分に合ったやり方を探してみてください。
6分の短縮版モーニングメソッド

続いて6分間の短縮版モーニングメソッドです。どうしても忙しい日もありますし、60分は長いですよね。
「そんな60分なんて続かないよー」という方もいかと思います。すごく気持ちがわかります。
そんなときは、6分だけ自己投資をしましょう。
毎日、短縮版のモーニングメソッドを行うことは推奨されていませんが、仕事のある平日の朝は6分間の短縮版メソッドを行い、週末に60分のモーニングメソッドを行っても大丈夫だと著者は言います。
これから6分間で何をするのか解説します。
1分目
まず最初の1分は、朝起きたら大きなあくびをして伸びをし、笑みを浮かべる。
そして沈黙をする。静かに穏やかな気持ちで座り、ゆっくり深い呼吸をする。
2分目
毎日のアファメーションを行う。
人生における優先順位を思い出させてくれるメモを、上から下まで声に出して読む。
人生でも最も大切にしていることに意識を向け、「一日を有意義にしよう!」という意欲を高めます。
3分目
イメージングを行う。
目標を達成したときの光景と感情を思い浮かべる。
今日が完璧な1日になるようにイメージします。
4分目
1分間で『感謝すること』『自分を誇りに思うこと』『今日、出したい結果』この3つを書き出します。
5分目
読みたい本を手に取り、1分間を使って12ページを読む。
集中した1分間で、新しい発見に出会い、思考や気分を向上させる。
6分目
60秒間、体を動かす。
1分間の腕立て伏せや腹筋で十分です。大切なのは心拍数を上げて、注意力と集中力を増加させることです。
以上が時間が無い日に行いたい『6分間の短縮版モーニングメソッド』です。
終わりに
最後に内容をまとめます。
- 朝にモーニングメソッドを行う
- 習慣こそが人をつくる
- 朝にモーニングメソッドを行い、成功に繋がる行動をする
- 6つの習慣
- 沈黙
- アファメーション
- イメージング
- 運動
- 読書
- 日記
- 6分の短縮版モーニングメソッド
- 時間が取れない方あるいは仕事がある日なんかは、6分間の短縮版モーニングメソッドを行い、休日に60分のモーニングメソッドを行ってもよい。
朝起きた最初の1時間が、1日の方向性を決めます。
最初の1時間が怠惰で無計画なら、終日ダラダラと集中力のかけた日になってしまいます。
最初の1時間を最大限に活用しましょう!
今回紹介した本『人生を変えるモーニングメソッド 朝時間が自分に革命を起こす』について、まだまだ紹介できていない部分が多いです。
朝時間を最大限に活用するためのコツとアドバイスが詰まっているオススメの本ですので、ぜひ読んでみてください。
今回の知識が何か少しでもあなたの人生の役に立てれば幸いです。
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