空腹、断食、ファスティング、デトックスの正しいやり方が一度に分かる!石黒成治「医師がすすめる少食ライフ」を解説

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はじめに

本日ご紹介する本は、皆さん大好き消化器外科医ユーチューバー石黒成治先生の最新作『医師がすすめる少食ライフ』です。

老化の原因は食べ過ぎにある。これは多くの書籍や論文で語られていることであり、様々な情報が錯綜している健康に関する研究の中でも、かなり信頼度が高い情報と言えます。

しかし老化を防ぐために断食やカロリー制限が必要だと分かっていても、なかなか継続できないのが人間というものです。

食べない生活が続くと、脳の中の欲望を発する部分から「もっと食べなさい」と指令が出ます。

そして自分の脳だけでなく、私たちの腸の中の共生生物である腸内細菌も、「もっと食べるように」と指令を出していきます。

少食を行おうと心で思っても、体の仕組みによって元の生活に戻るように仕向けるられてしまうんです。

ですから、決してあなたの意志が弱いから、決めた食事習慣を続けることができないのではないんです。

根本的に体から、環境から変えなければ、少食ライフを送ることはできません。

本書はそんな少食ライフを送るためのコツとして、少食ライフを送る上での注意点を分かりやすくまとめてくれている書籍になります。

ぜひ小食ライフを知識だけではなく、実践できる形に落とし込んでいきましょう。

日本人にとって理想の食事とは

まず日本人にとっての理想の食事について、説明していきましょう。

健康のための食事法は様々存在していますが、日本人に合っていて、なおかつ無理なく行うことが出来る食事法という都合のいいものは、存在していないのでしょうか?

それを考えるために、沖縄県について考えてみましょう。

「なぜ沖縄県?」と思われるかもしれませんが、沖縄はブルーゾーンと呼ばれる、世界でも健康で長生きの人が数多く居住する特別な地域の1つなんです。

今では食の西洋化などが原因で、平均寿命は少しずつ短くなってきていますが、沖縄県の高齢者が行なっている食事には学ぶところが多くあるんです。

まず沖縄の高齢者の食事の中心はお米ではなく、ほとんどがサツマイモなんです。

食事の60%以上はサツマイモのほか、たけのこ、大根、ゴーヤなどの野菜で、穀物は33%、キビが多く穀物の摂取は少なめです。

また魚や肉などの動物性たんぱく質は、ほとんどとりません。

大豆など植物性タンパク質も5%程度で、たんぱく質摂取量が少なく、脂質はほとんど摂取していません。

つまり食事のほとんどが炭水化物(糖質と食物繊維)なのです。

このことから考えるとタンパク質の量や脂質の量は、あまり長寿には影響していないように思います。

これは昨今の糖質制限ブームや、脂質を取ろうというブームから考えると、少し意外な結果のように思えます。

ただし、この結果だけで「なんだ、好き放題糖質を食べていいんだ」と考えるのは間違いです。

食事というのは栄養素だけで語るものではなく、その中身までしっかりと見る必要があるからです。

最初に述べましたが、沖縄の高齢者の食事の中心はお米ではなくほとんどがサツマイモであり、タケノコ、大根、ゴーヤなどの野菜が食事の6割を占めています。

これは日本の他の地域の食生活と大きく違いますよね。

つまり新鮮な野菜やビタミン e が豊富なサツマイモやウコンなどの、抗酸化物質が豊富な食品を摂取していることが、長寿の要因である可能性があるんです。

ここではさらに『抗酸化物質』について話を深めていきましょう。

健康法の本や動画などを見ると、「〇〇という食材は抗酸化物質が豊富だから積極的に取りましょう!」と言った言葉を耳にします。

この抗酸化物質というのは、私たちの体にどのようなメリットをもたらしてくれているのでしょうか?

抗酸化物質とはその名の通り、私たちの身体の酸化ストレスを軽減してくれる物質です。

この酸化ストレスを軽減することは、長寿と深い関係があることがわかっているんです。

実際の研究でも、沖縄の超高齢者とその他の世代の人では、酸化ストレスの割合が全く違うことが示されています。

沖縄在住の139人の100歳を超えている人を対象に行なった研究を見てみましょう。

研究者は酸化ストレスの指標である、血液中の過酸化脂質の量を各年代別に測定していきました。

結果としては、100歳を超えている人の過酸化脂質は他の年代と比べて圧倒的に低く、過酸化脂質の値の低い人が100歳以上まで生存する可能性が高いことが示されたんです。

また食事が高度に西洋化されてしまった現代の沖縄の若者では、過酸化脂質の値は残念ながら高く、今後の沖縄長寿が期待できないと考えられています。

その他にも抗酸化作用のあるビタミン e の濃度を測定してみたところ、沖縄の超高齢者は細胞内に高いビタミン e を含有していました。

長寿のためには、いかに体のサビを作らないか、酸化ストレスをうまく処理できるか、その2点がカギになっていると考えられます。

またこの研究からわかることは、今の高齢者が長生きだからといって、今の若者も長生きできるとはかぎらないということです。

よく「日本は世界的に見ても長生きの国なんだから、そんなに健康に気を使う必要はない」というものを見ますが、今の高齢者が長寿であることと、今の若い世代が長生きできるかどうかは別物として考える必要があるのです。

日本の平均寿命を記録的なレベルに押し上げている人口群は60歳以上の年齢層であり、その年代の人々は20代から30代の壮年期に、現代のようなファーストフードやコンビニのお弁当などの食生活はしていませんでした。

しかし日本食の内容はこの50年で大きく様変わりし、食の欧米化とともに生活習慣病の発症率が増加しているんです。

現在の20代30代の人々の西洋化された食習慣を考えると、長寿大国日本がこのまま続くかどうかは疑問と言えます。

健康に長生きしたいと願うのであれば、それ相応の生活習慣を身につける必要があるんだということをしっかりと覚えておきましょう。

しかしいくら長寿になるからといって、抗酸化物質を豊富なサツマイモを主食とする生活は、現実的ではないかもしれません。

私は最近サツマイモ推しの動画や本を多く見たこともあって、ここ1か月は主食を玄米からサツマイモに変えてみているんですが、これを一生続けていくというのは、食に興味がある方にとってはなかなか苦痛だと思います。

食というのは一生付き合っていかなくてはならないものであり、無理をして継続できなければ何の意味もありません。

ですから現代でも実行可能な、日本人にとっての食生活を選択していく必要があるのです。

では日本人はどのような食生活を心がけるといいのでしょうか?

その指標となる研究を紹介しましょう。

2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことを、皆さんはご存知でしょうか?

日本は確かに、世界が認める長寿国です。

ですから「日本人の食べている和食に、その秘密があるのではないか?」ということで、和食の健康効果が注目されているんです。

そして東北大学の都築毅准教授が中心となって行った研究では、1960年、1975年、1990年、2005年、この4つの年代で食べられていた食事で、どれが最も健康的であるかが検討されています。

この4つの年代に日本で食べられていた食事成分に準ずる各食事をマウスに摂取させて、最も健康効果が高いものがどれであったのかを観察したんです。

各年代の食事について詳細を見ておくと、1960年は断然お米の摂取量が多く、魚介類が主なタンパク源で、塩分も一番多い食事です。

また貧しくお米に対しておかずの量が少なく、お米と味噌汁と漬物という組み合わせが典型です。

1975年頃は食の多様化が進み、卵焼きやサンドイッチ、揚げ物なんかも少し食卓に上り始めます。

しかし基本は一汁三菜、主食と汁物と主菜と副菜が2つで、タンパク質は魚が中心です。

1990年の食事は様相ががらりと変わり、欧米の影響がだいぶ入り込んできます。

結果としてカロリーが高くなり、ラーメンや牛丼などの単品料理が増え始め、朝ごはんにはパンを食べる割合が多くなってきた年代です。

2005年はタンパク質、脂質源として牛やブタなど動物性のものがほとんどになります。

またお米の摂取量が少なく、油の摂取量が最も高くなっています。

現代のファストフード、コンビニ食のような食生活です。

マウスにこの各年代の食事をパウダー状にして摂取させたところ、1975年の食事を与えたマウスが最も長生きしました。

老化予防、学習能力、記憶力に関しても、1975年の食事が最も成績が良く、最も老化が進行し短命に終わった食事は2005年の食事でした。

さらにこの研究は、人でも行われています。

20歳から29歳の若者に、1ヶ月間1975年の日本食、もしくは現代食を摂取してもらうと、1975年日本食群は体重・脂肪量・ BMIの低下を認めました。

また中性脂肪、 LDLコレステロール、ヘモグロビン、HbA1c も低下していました。

さらに各食事を摂取したときの腸内細菌を検討してみると、ラクノスピラーなどの生活習慣病のリスクが高くなると考えられている特定の細菌の集団は、1975年日本食群では減少し、現代食では逆に増加を認めたんです。

つまりこれらの結果をまとめてしまえば、1975年の日本食が生活習慣病のリスクを軽減させる可能性があることを指しているんです。

日本人にとっての理想の食事療法とは、1975年ぐらいの日本食をベースに考えるべきです。

1975年くらいの日本食とは、肉よりも魚、揚げ物よりも煮物、お味噌汁で、そして時々洋食を加える、これは最もエネルギー効率が良いメニューであると考えられます。

これだったら、継続しても苦にならなそうな食事法ではないでしょうか?

日本人は日本食をしっかり食べる方が、長生きできることを示した疫学研究もあります。

ぜひ日本食の素晴らしさを、ここで一度見つめ直してみてはいかがでしょうか?

まとめ

  • 沖縄の長寿者の食事の中心はお米ではなくほとんどがサツマイモであり、その他タケノコ、大根、ゴーヤなどの野菜が食事の6割を占める。
  • 今の高齢者が長生きだからといって、今の若者も長生きできるとは限らない。
  • 1975年あたりの日本食が、最も日本人に合った健康食である。

デトックスのススメ

ここでは話をガラッと変えて、『デトックス』について見ていきたいと思います。

本書はタイトルからして、少食ライフのみを説明してくれている本かと思うかもしれませんが、少食ライフの他にデトックスについて、かなりのページを割いて解説されています。

本書の冒頭も「デトックスから始めよう」という言葉から始まり、著者はこのデトックスをかなり重視していると考えられます。

それでは著者がオススメするデトックスの方法について見ていき、知識を深めていただきたいと思います。

さて、そもそもデトックスとはどういう意味なのでしょうか?

デトックスは、体内に溜まった有害な毒物を排出させるという意味で使用されることが多いです。

現代を生きる私たちは、毒素を完全に避けることは不可能で、多くの人は食事や環境から様々な毒素を吸収してしまっています。

生きている限り毒素にさらされ続ける私たちは、この現代社会での生活を楽しむために、体と脳を解毒する必要があるんです。

一般的に毒素は分解されにくく、脂肪に溶ける性質があります。

そのため体中では、脂質に溶け込む形で蓄積しています。

当然、体脂肪が多い人には溶け込むチャンスが多くなるわけですから、肥満の人は深刻な毒素蓄積があると考えなくてはいけません。

ただし、痩せている人は問題ないかというと、そうでもないんです。

なぜなら、さらに深刻なのは細胞レベルのダメージだからです。

細胞を囲む細胞膜は、リン脂質などの脂質で構成されています。

これは太っているとか、痩せているとかは関係ありません。

基本的にどんな人であっても、細胞そのものが毒素によって損傷を受けてしまうんです。

それを防ぐためにも、デトックスが必要なんです。

しかしデトックスが必要だからといって、安易に市販の酵素ジュースなんかに飛びつくのは、まったくもってオススメできません。

なぜならデトックスをしたいと考えるとき、次の3つを考える必要があるからです。

  1. 体内に入ってきた毒素を処理する
  2. 体内で生じた、またはすでに溜まっている毒素を処理する
  3. 毒素によって損傷を受けた細胞を処理する

日々、体内に毒素は生じているんですから、巷で流行っている酵素ジュースを飲んだだけで、これらすべての解毒作用が生じるはずがありません。

デトックスも毎日の健康習慣から行っていくものであると、まず認識してみてください。

それでは具体的なデトックスの方法について見ていきましょう。

体内の最大のデトックス器官は『肝臓』です。

肝臓は、細胞レベルで毒素を中和して無毒化します。

では体のどこから毒素は最も流入するのでしょうか?

それは腸です。

添加物や保存料、酸化した脂質、食品由来の炎症誘発物質、未消化の食事成分、腸内細菌も、腸から体内に侵入していきます。

そして吸収された毒素は、腸の血流に乗って全て肝臓になだれ込むようになります。

肝臓が体にとって有害な物質を、そのまま全身に流してしまわないように、ブロックしているんです。

肝臓はいわば、フィルターのようなものと言えます。

先ほども述べましたが、毒素は一般に脂溶性のため、そのままでは排出することが困難です。

そのため肝臓では、毒素を脂溶性から水溶性に変換してくれるんです。

その際に『抱合』という毒性のない形に変換します。

水溶性で無毒となった代謝産物は、血液の中に入って腎臓から尿として排泄されるか、肝臓から胆汁という形で直接腸の中に捨てられていきます。

また汗として皮膚から出ることもありますし、気体になって呼気から捨てられることもあります。

簡単に言えば、肝臓がボディガードのように、毒素が侵入するのを防いでくれているのです。

ですから、デトックスをしっかりと行なっていくためには、肝臓の健康状態に気を配る必要があるんです。

肝臓をいたわるためには、日々摂取するアルコールや加工食品の中の添加物、保存料や内服薬などの量をよく考えなくてはいけません。

デトックス生活を行いたいなら、まず第一に心がけるべきことは、肝臓に負担がかかるようなことはできるだけ避けることです。

肝臓をいたわるための方法としては、肝臓保護機能があるサプリメントの摂取なんかもあるんですが、本書ではそういったサプリメントを摂取することはオススメされていません。

肝臓をいたわるためにはサプリメントなんかよりも、まず食事の量を制限します。

そうすることで、消化に伴う代謝作業を減らすことができます。

そして肝臓の機能をサポートするような野菜・果物・ハーブティを摂ることをオススメしています。

食材としては5つ紹介されています。

  1. リンゴ
  2. ビーツ
  3. ニンニク
  4. オリーブオイル
  5. ミルクシスル

どの食材も毒素の排泄、肝保護効果が期待されている食材となります。

ぜひ積極的に摂取していきましょう!

また肝臓が頑張って毒素を処理したとしても、体外に排出できなければ意味がありません。

肝臓は胆汁という形で毒素を無毒化し、腸の中に廃棄していきます。

しかし便秘で腸が動いいなかったら、肝臓は詰まった便器にどんどん毒を捨てているようなもので、毒素が一向に流れていかないんです。

流れていかないだけならまだいいんですが、実際には毒素が再吸収されてしまうことになります。

朝活や便活を積極的に行い、きちんと肝臓が無毒化してくれた毒素を体外に排出できるようにしておきましょう。

また肝臓と同様に腎臓も、血液の中の身体に不要な成分をこし出して、尿を作る働きがあるという点で大きなデトックス臓器と言えます。

この重要な臓器である腎臓を保護するために、最も大事なのは適切な量の水分摂取を行うということです。

腎臓に最もダメージを与えるのは脱水であり、脱水で血液量が減少しないように水分摂取は怠らないようにしましょう。

また腎臓のデトックス機能を高めるためには、腎臓をいたわる食品を積極的に取り入れる必要があります。

その代表がブルーベリーです。

研究ではブルーベリーの抗酸化成分アントシアニンは、腸から流入する毒素から腎臓を保護する作用が認められています。

また先ほど肝臓のところでも登場しました『ビーツ』もおすすめです。

ビーツに含まれている豊富な硝酸塩は血管拡張作用があり、腎臓の血流を増加させてくれるんです。

その他、動物実験ではイチョウの葉、ウコン、生姜などの抗酸化力のあるハーブも、腎機能改善効果が報告されています。

そして毎朝レモン水を飲むことも、腎機能の活性化のための素晴らしい方法と言います。

すべてを取り入れる必要はありませんが、好みのものを積極的に摂取していきましょう。

またデトックスのためにサウナに入っているという人もいると思いますが、その場合も脱水予防と腎臓保護のために、水分摂取を忘れずを行いましょう。

本書でもサウナでデトックスすることをオススメされていますが、注意点として脱水にならないようにしっかりと水分を摂取してから入ることをお勧められています。

適度な水分摂取を忘れず行い、デドックスライフを満喫してみてください。

まとめ

  1. デトックスは特別な行為を行うといったものではなく、日常的な生活習慣の中で行なっていくものである。
  2. デトックスを行うべき2大臓器は『肝臓』と『腎臓』である。
  3. 肝臓をいたわるためには、リンゴ、ビーツ、にんにく、オリーブオイル、ミルクシスルを摂る。
  4. 腎臓をいたわるためには、ブルーベリー、 ビーツ、イチョウの葉、ウコン、生姜がオススメである。

少食ライフを行う上での注意点

ここでは、小食ライフを行う上での注意点を見ていきましょう。

『16時間断食を行うことによってオートファジーが活性化する』

『カロリー制限を行うことで、健康長寿の道を歩むことができる』

これらの知識は、もはや常識になりつつあります。

しかし実際に行う上で、間違った断食の方法や、間違ったカロリー制限を行っているという人は少なくありません。

そこで断食やカロリー制限を行う上での注意点について見ていきましょう。

1日1食なら、いつどれだけ食べてもいい?

皆さんも「1日1食であれば、どれだけの量を食べても大丈夫だ」という話を聞いたことはありませんでしょうか?

1日1食で、夜にステーキを好きなだけ食べる。

そんな健康法も一時期流行しましたよね。

確かに1日1食と1日3食で、総カロリーを同じだけ摂取してもらった実験においては、体重と体脂肪量は1日1回の食事の方が減少し、除脂肪体重(筋肉量や骨量など)も、1日1食の方が増加する傾向にありました。

さらに中性脂肪は、1日1回食の方が低下したんです。

つまりは1日1食とすることは、体脂肪を減らして筋肉質な体になる上では、望ましい食事法と言えるんです。

しかし1日1食にデメリットがまったくないわけではありません。

1日1食では、肝臓酵素の上昇が認められたんです。

これは肝臓に負担がかかっていることを示しています。

1日1食で同じカロリーを摂取するためには、相当頑張って食事をすることになります。

その結果、同じエネルギーを短時間に処理しなくてはなじゃないので、肝臓に負担がかかってしまうんです。

また当然ですが、私たちの体は摂取した食品の影響を受けます。

1日1食であっても、ファーストフードを摂取していては、健康に対して悪影響があることは否めません。

また食事回数を減らしても、深夜に食事を摂取することは心臓病のリスクを1.5倍に増やすことがわかっています。

つまり食事の回数を減らすだけでは不十分だということです。

何をどのように食べるかをコントロールすることがより重要であり、食事の回数はそれらをコントロールした上で考えていく要素だということを覚えておきましょう。

もちろん16時間断食のように、1日の中で食べない時間を作るという方法は、オートファジーの活性化や炎症の抑制、腸内環境の改善という点から効果的といえます。

ですから、これと併せて食事内容を整え、生活習慣・食事リズムを考えることが大切になっていくんです。

特に不規則な食事時間は、腸内細菌のバランスにマイナスの影響を引き起こすことがわかっています。

16時間断食を行う場合でも、食事時間は毎日同じ時間にとるようにしましょう。

特に食事の食べ終わりのタイミングを、なるべく一定にすることが大切です。

夕食を食べる場合は、食後の2〜3時間は就寝まで時間を取る必要があります。

同じ食事量・食事時間であっても、食べ終わりのタイミングが遅くなり就寝時間が近くなると、腸に過剰な負担がかかってしまうことも覚えておきましょう。

糖質とタンパク質の誤解

さて続いて、糖質とタンパク質の誤解も説明しておきましょう。

まず糖質については、一大ブームとなっている糖質制限があります。

「糖が体に悪さをしている!」と叫ばれていて、まるで糖質そのものの摂取が悪いことであるかのように話されています。

しかしここではっきりとお伝えしたいことは、糖質が最も体にとって必要な栄養素であるということです。

しかし何らかの理由で体の調子が崩れているときに、最初に取り組んでもらうこともまた糖質制限なんです。

しかし現代人は、糖質過剰摂取の状態にあります。

これは加工食品やお菓子、ファストフードなど単純糖質と呼ばれる糖を大量に摂取していることを意味します。

本来糖質は、穀物・野菜・果物から摂取するべきものなんです。

今の私たちの食生活では、野菜と果物の摂取が少なく、さらには精製して白くなった穀物ばかりを摂取しているので、極端に食物繊維が不足してしまっているんです。

そのため食事のたびに急激に血糖値が上昇し、それを補正するために体は働き続けているんです。

これが長期に続いた結果、インスリン抵抗性という状態が引き起こされます。

インスリン抵抗性があると、許容できる糖質量が制限されるます。

それにより細胞がエネルギー不足の状態になってしまうんです。

この状態を改善するために、糖質を制限する必要があるのです。

そして糖質制限を行っていくと、徐々に摂取可能な糖質量が上昇していきます。

最終的には糖質を摂取しても問題ない身体に導く事が目的で、最初に糖質を制限するのです。

つまり糖質制限は、糖質過剰の状態とそれに伴って起きるインスリン抵抗性から抜け出すために行うものであり、糖質制限を長期間にわたって行うことは、体調改善には逆効果だということを覚えておきましょう。

ただし状況が改善しても、無尽蔵に糖質を摂取していいわけではありません。

あくまでも個人の代謝可能な範囲での摂取になりますので、節度を持った糖質摂取が重要です。

「たくさん摂取したいよ…」という人は、身体の活動量を上げるか、糖質の代謝量を増やすために筋力を強化する必要があります。

この節度を持った摂取というのが何においてもとても大切であり、同様の事がタンパク質にも言えます。

筋トレやボディメイクブームも相まって、タンパク質はどれだけ取っても大丈夫、むしろ「タンパク質はたくさん摂るべきだ!」という考えが広まっています。

しかしタンパク質の処理能力は年々低下することが分かっており、タンパク質を分解する能力を超えた量を食べたとしても、それは分解されることなく大腸の中に流れていってしまうだけなんです。

未消化のタンパク質や消化不良のタンパク質は、大腸の中に入ると腸内細菌の分解を受けます。

その結果、タンパク質は腐敗していってしまうんです。

この腐敗代謝によって起こる代謝物質に、アンモニア、インドール、スカトール、硫化水素、クレゾール、フェノールなどがあり、オナラのニオイが臭くなる原因となります。

この腐敗という現象で生じる代謝物質は、少量であれば生体にとって必要な物質として利用されます。

アミノ酸の代謝から作られる短鎖脂肪酸は、そのまま腸でエネルギーとして利用されますし、インドールは腸内寄生虫に対する防御効果、プトレシンという物質は抗炎症作用発揮しリーキーガットを予防する効果があります。

しかしその量が過剰になると、体にダメージを与えてしまうんです。

タンパク質をたくさん摂取することを良いとする食事法は、たくさんあります。

しかし肉やチーズをたくさん食べて糖質を制限する食事法や、脂質をカットした鳥のささみをたくさん食べることを推奨する食事法は、その人のタンパク質の分解能力を考慮していないんです。

私たちの体には何を食べたかよりも、何をどれだけ分解して、どれだけ吸収できたかの方が重要です。

ぜひ糖質とタンパク質は、適度な量の摂取を心がけていただけたらと思います。

また日本人は元々、タンパク質を大量に取る民族ではありません。

そのため、たんぱく質を分解する酵素が活発に働くような遺伝子も腸内細菌も、持ち合わせてはいないはずなんです。

しかし現代の日本人が、昔のような食事を継続するのも難しいことです。

たんぱく質の過剰な腐敗反応を防ぐために、食物繊維を十分にとっておきましょう。

タンパク質過剰摂取の悪影響は、難消化性でんぷんや食物繊維を十分にとることによって、軽減されることがわかっているんです。

難消化性でんぷんは、最近ではレジスタントスターチという名前でも知られています。

日本人はこれまで、おにぎりという形でレジスタントスターチを積極的に摂取してきた民族です。

お米は温度を下げると、時間がたつにつれてレジスタントスターチになっていきます。

日本人のとるべき食事法の基本は大量のたんぱく質ではなく、伝統的な日本で古くから食べられてきたお米を適度に食べることなんです。

元々の日本人に合った日本食を、今一度見つめ直していきましょう!

まとめ

  • 食事回数を減らすことは健康に対してポジティブな効果が期待できるが、食事内容や食事のタイミングにも注意を払うべきである。
  • 糖質制限はインスリン抵抗性改善のために行うべきものであって、半永久的に行うものではない。
  • タンパク質を過剰摂取しても、大腸内で腐敗を生むだけである。
  • 腐敗を軽減するためにも、おにぎりなどのレジスタントスターチが豊富な食べ物や、食物繊維が豊富な食材を摂取することが大切である。

終わりに

いかがだったでしょうか?

どれだけ食事法や健康法について学んだとしても、実行と習慣化ができなければ何の意味もありません。

2009年に発表された論文によりますと、新しい生活習慣を落とし込むには、平均して66日かかると言われています。

もちろんこの66日というのはあくまで平均であって、簡単な習慣であればもっと短い期間で習慣に落とし込むことができますし、難しいものであればもっと長期間かかります。

食事のように、自分の生活を根本から変えるものの場合は3カ月程度の期間で考え、ゆっくりと脳と体に染み込ませていくイメージで頑張っていきましょう。

本書は様々な論文をもとに、健康な食事生活習慣についてわかりやすく説明してくれている一冊です。

本日紹介したように、糖質制限やたんぱく質摂取を行う上での注意点など、広く知られている健康法を正しく行うためにも、ぜひ一度読んでいただきたいと思います。

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