はじめに
今回は北里洋平さんの著書『ワルあがき』を紹介していきたいと思います。
この本の表紙といいタイトルといい、ちょっと普段とは違った雰囲気の本の紹介です。
著者の北里さんは出版社を経営されている方なんですが、この本は北里さんの自叙伝で、とにかく内容が熱いです。まさにわがままを貫く人生を生きています。
この本は自分の中でなんとなく見過ごしてた部分、見て見ぬふりをしてた自分のズルいところをガツンと突っ込まれるような内容になっています。
この本では北里さんが悩んだり自分に正直に向き合わないときに、北里さんの中のもう一人の自分である通称『キング』が出てくるんです。
このキングは本当にやりたいことだけを貫くわがままな自分なんですが、キングの言葉がとにかく重たいです。
「そうだよなぁ、自分はそうやって逃げてたわ…」っていう痛いところを突いてくるんで、私は途中途中泣きそうになりながら読んで、読み終わった後は「俺もやってやるぜ!」というやる気 max 状態にさせてもらいました。
あなたもこの本を最後まで読んだらやる気 max になることを間違いなしです!
今回はこの本の中から3つ紹介していきます。それで早速みていきましょう。
やりたい役をやれ!

まず1つ目は『やりたい役をやれ』という話です。
これは著者が小学4年生のときの話で、学芸会で裸の王様をやることになりました。
主役が1人、その他には家来や村人など複数の役があります。当然みんな主役をやりたいって一度ぐらいは考えますよね。
そして次に「でも自分で立候補するのは恥ずかしい…〇〇君の方が人気もあるし向いてるな…」こうやって考えてしまう経験ってあなたも今までありませんでしたか?
小学生の北里さんも最初は同じように考えるんですが、ここでもう一人のわがままを貫く男『キング』が現れて、こういったやり取りをするんです。
キング「お前ドラクエ知ってるか?」
北里少年「も、もちろん」
キング「ドラクエは職業を選べるような?」
北里少年「当たり前じゃん」
キング「当たり前だよなぁ。勇者・戦士・僧侶・魔法使い・遊び人どれでもいいんだよなぁ。じゃあ現実とドラクエは何が違う?やりたいことをやらない意味が分からねえぞ」
このキングとのやりとりで著者は気づくんです。10年後に大人になったとき、学芸会じゃなくて現実の世界でも同じように自分の役が決まる。
社長・政治家・サラリーマン・八百屋・スポーツ選手、自分の本当の役を決めるときが来るのだとすれば、俺は自分がやりたい役をやりたい。
それはこの学芸会の主役を決める今だって10年後だって同じだ…。俺は大人になっても誰に何を言われても、自分がやりたい役をやるんだ!
こうやってキングの言葉をきっかけに気づくんですよ。
これどうですかね?このわがままっぷりはスゴイですよね。私もこの感覚を経験したことがあって、小学生のときって自分は将来何にでもなれるって思ってたんです。
でも高校とか大学と進学していくうちに当たり前の常識を覚えて、さらには社会人になって頑張って毎日働いているうちに、「あっ…自分は普通のサラリーマンで一生を終えるのかな…」って無意識のうちに思っていたんです。
でも社会人5年目のときにふと気づいたんですよ。「あれ小学生のときは主役をやりたかったのに、なんでもできると思ってたのに、いつの間にか自分『村人Aさん』になってるじゃん…。」
これに気づいたときは何か本当にショックでした。
私が思うに主役が上で、村人が下とかではないと思うんです。村人だって家族を築いて、幸せな人生を全うしている人だって沢山いるんですから、上とか下ではありません。
大事なことはどんな役であれ自分が本当にやりたいことをやってワガママを貫き、自分の人生を生きているかどうかです。
私は社会人5年目までは目の前の事を頑張っていても、自分が本当にやりたいことをやって生きている実感はなかったんです。
「本当はアレになりたいけど、常識的に無理だろうな…」こうやって常識で考えちゃうそこのあなた!
今すぐこの本を読むことをお勧めします。必ず変わるきっかけになる思います。
価値の基準は人によって変わる

2つ目は『価値の基準は人によって変わる』という話です。
これは北里さんが14歳のときの話です。父親の仕事の関係でチリに住んでいたんですが、その時に友人と2人で自転車の旅を企画するんです。
その旅をするためにお金が必要だと気づき働くことを考えるんですが、14歳なのでどこに行っても働き口がありません。
ここで常識的に中学生が働くなんて不可能だと考えていたら何も行動をせずに終わりますが、北里さんは違います。というか、キングがそれを許しません。
ある時ショッピングモールで露天商が世界各国のコインを加工して、ペンダントとして売っていることに気づきます。
そこで日本の硬貨をこの露天商の人達に売れば稼ぎになるとひらめくんです。
そして早速、日本の一番安い効果である1円から交渉してみるんですが、1円には高い値段が付きませんでした。
そして100円、500円と硬貨の金額が高くなるにつれて高く販売しようとするんですが、これがなかなかうまくいきません。
「この硬貨は日本で1万円の価値だぞ」そうやって露天商に嘘をついてみますが、両替屋がすぐ近くにあって「嘘付けこの野郎!」そうやってすぐにバレてしまいます。
そして露天商はこう言うんです。「これが一番高く買えるな」そう言って1番の高値を付けたのはなんと5円玉でした。
500円硬貨の方が5円玉より100倍の価値があるのになぜ?そう思いますよね。
その露天商はこう言います。「何を言ってるんだ。この5円玉の方がかっこいいじゃねーか!色もゴールドで穴が開いているところがイカしてる!」
これどうですかね?これはつまり価値の基準は人によって変わるということなんです。
お金の価値を、数字だけ見て数字が大きいほうが価値がある。これが常識的なイメージですよね。
それを常識で考えないで、デザインがかっこいいという違った見方で価値を考えることによって、それがビジネスになることを表しているんです。
またその後も北里さんは、チリで英会話教室をして稼ぎます。
現地では大したことない英語スキルでも、チリに来たばっかりの日本の子供達にとっては、充分価値のある英語のスキルたと気づいたからです。
これが大繁盛して、北里さんは自転車旅行の費用を稼ぐことができました。
私も今こうして本の紹介をして活動していますが、最初はただ本が好きで読んで勉強しているだけでした。
本を読むこと、本を解説すること、文章を書くこと、そんな自分にとっては当たり前のスキルが、沢山の人に見てもらえるようなスキルになるなんて夢にも思っていなかったです。
あなたが今、当たり前のように持っているスキル、それって他の誰かから見たらどんな価値がありますか?
もしかしたらものすごい価値を既に持っているかもしれんません。
人の5倍の超集中

最後3つ目は『人の5倍の超集中』という話です。
北里さんは高校生になり大学進学を考えますが、2つの大きなワガママがあったんです。
それは『高校生活を遊びまくり青春を謳歌したい』と『いい大学に合格したい』の2つです。
中学まではチリで教育を受けていた北里さんは、ただでさえ日本よりも遅れた教育環境で過ごしていました。
でも日本の渋谷で遊びまくりたい!そして良い大学にも行きたい!この2つのワガママがぶつかってしまうのです。
そこでどうしたのか?結論からいうと、なんと半年間を人の5倍の効率で勉強して、残り2年は遊びまくると決めたんです。
まずいい大学に合格するためには1日平均7時間勉強として、年間で2555時間、高校3年間で7665時間です。
この7665時間分の勉強時間を半年でやるとすると1日42時間。もうこれは物理的に不可能です。
そこでこう考えるんです。「1日8時間勉強して半年で1460時間。これを人の5倍の集中力でやれば7300時間の効果。これで解決だ!」
著者は実際にこれをやり切り、半年間ひたすら勉強した後は2年間遊びまくって、さらに良い大学にも合格するんです。見事2つのわがままを達成するんですよ!
まずこの発想自体かなり非常識ですよね。そして重要なポイントがそのやり方で、この超集中のためにはルーティーンを作るんです。
勉強を始める時にペンと消しゴムは同じ場所に一つだけ。そしてまず1分間の黙とうします。次に大きく深呼吸。無心になって集中の世界に没頭するんです。
あなたもものすごく集中ができて他のことが頭に全く入らない、それこそお腹がすいたのも忘れるくらい集中できたことってありませんか?
たまたまできたことをルーティーンにすることで、意図的に使えるようにするんです。
でもこれは著者独自のルーティーンですし、実際本当に5倍の効果があるかどうかわかりませんが、自分のルーティーンを持って集中力を高めるというのは知っておいた方がいいです。
例えば一流のプロでも一連のルーティーンを持ってる人は沢山います。
イチロー選手のバットを構えるまでの動きや、ラグビー選手の五郎丸選手の蹴る前のポーズなどは集中力を高めるルーティーンです。
あなたもあなたなりの超集中のやり方を身につけることをお勧めします。
今より5倍は無理でも、2倍効率的になるだけでものすごい効果がありそうですよね。
終わりに
これまで3つのお話をしてきましたが、最後にこの記事のまとめです。
- やりたい役をやれ!どんな役をやるのか?あなたは今、本当にやりたい役をやっているのか?
- 価値の基準は人によって変わる。あなたが当たり前に持っているスキルは他の人から見たら当たり前ではないかもしれない。
- 人の5倍の超集中。1分間の黙とう、深呼吸。そこから集中の世界に潜る。
これでこの本についてのお話は以上です。いや本当にこの本の熱いところがこの記事では全部説明しきれなくて歯がゆいです。
ほんの少しでも興味がわいた人はこの本を実際に読んでみることをオススメします。
それが人生を変えるきっかけになるかもしれません。
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